COLUMN海外メディア戦略コラム

イタリアメディアTOP20攻略—ファッションとデザインで成果を出すPR配信戦略

ファッションとデザインの中心地であるミラノを抱えるイタリアは、専門誌から全国紙まで“目利き”がそろう市場。リリースでは、社会面の「物語」と業界面の「機能」がどう結びつくかを見せることが鍵になります。

この記事では、イタリアメディアの特徴と、ファッション/デザインの領域で成果につなげるPRの考え方を、優先したいメディアTOP20の使い方とあわせて紹介します。最後にPressReleaseJapanの関連事例もまとめ、配信設計まで一通り把握できるよう整理しました。

目次

  • イタリアのメディア全体像とファッション・デザインの交点
  • 業界特性と編集観の理解—ミラノ発の価値基準
  • 優先メディアの考え方—イタリア×ファッションで効く露出動線
  • 優先メディアTOP20—全国紙/通信社/ファッション&デザイン専門
  • 事例解説:PressReleaseJapanの関連リリース
  • 最新動向と示唆—ミラノFWとデザインウィークを起点に

 

イタリアのメディア全体像とファッション・デザインの交点

イタリアのメディアは、全国紙・通信社・TVといった「国民メディア」と、ミラノを中心に集まるファッション/デザイン系の「専門メディア」の二層構造です。前者は社会性や経済性を重視し、後者は審美性・クラフト・都市文化とのつながりを評価軸とします。

PRでは、この二層を連動させて「話題づくり→実需・来場→国際拡散」という流れをつくる発想が有効です。

イタリアでは写真やビジュアルの完成度、エシカルなものづくり、ローカル職人との協働が高く評価されます。新商品の説明だけでは足りず、工法や素材背景、都市との関係性まで伝えることで、掲載率も記事のボリュームも伸びます。

 

業界特性と編集観の理解—ミラノ発の価値基準

ミラノはファッションウィークとサローネ(ミラノデザインウィーク)があり、国際編集者やバイヤーが常に往来する街です。ここで求められるのは「国際的な視点」と「イタリアらしさ」の両立。世界の潮流に向き合いながら、イタリアの美意識とも重なる点を、ビジュアルと言葉の両面で示すことが大切です。

編集の視点は媒体によって異なります。「数字を重視する経済紙」「一次情報の通信社」「物語性に強いカルチャー誌」「審美・プロダクト軸のデザイン誌」など、評価基準はさまざま。同じニュースでも、見出し・冒頭・写真点数・図版を媒体ごとに最適化する前提で考えると、掲載の精度が上がります。

 

優先メディアの考え方—イタリア×ファッションで効く露出動線

基本の流れは「通信社→全国紙→専門媒体→国際版・SNS」。まず通信社で一次情報を固め、次に一般紙・経済紙で社会的文脈を補強し、専門媒体で審美性やディテールを深掘ります。

各層で引用されやすい“核の一文”を共通で持っておくと、見出しの統一感が出て検索面でも有利です。

また、ミラノ現地の写真や会場図、図面・スケッチなど、専門媒体が好む素材を事前に用意しておくと、現地取材が難しくても掲載率が高まります。デザイン領域では、プロセス写真(型・試作・素材サンプル)の有無が記事化を大きく左右します。

 

優先メディアTOP20—全国紙/通信社/ファッション&デザイン専門

ANSA(通信社)

イタリア最大の通信社。公共性と一次情報が中心。政策・産業・国際見本市の速報に強く、ファクトをきれいに見せたい初動に向いています。データと現地コメントの準備は必須。

Corriere della Sera(全国紙)

歴史と影響力のある全国紙。一般層から富裕層まで幅広く届きます。技術革新と文化的意義の掛け合わせが好相性。都市への貢献や育成テーマと組み合わせると効果的です。

Il Sole 24 Ore(経済紙)

経済・金融・産業に強い専門紙。ラグジュアリー産業のサプライチェーン、輸出、M&A、サステナ投資などの数字を重視。経営指標を伴う発表に向いています。

La Repubblica(全国紙)

カルチャー面が厚い全国紙。都市生活者や若年~中堅層が中心。社会課題とデザインのかけ合わせ、若手支援・教育系の話題と相性が良い媒体です。

RAI(公共放送)

TV・ラジオ・デジタルを持つ公共放送。国民的関心の高い展示や受賞ネタに強く、映像素材とコメントの即時提供が鍵になります。

Sky TG24(ニュース専門TV)

速報と解説のバランスが良く、国際発信とSNS拡散が速い媒体。ファッションやデザインの経済効果、観光への波及、受賞速報に向いています。

Vogue Italia(ファッション)

世界的な審美眼を持つ媒体。ビジュアルの完成度、社会性ある企画、職人やアーティストとの協働が響きます。ミラノFWにあわせた企画やキャンペーンと特に好相性。

>Vanity Fair Italia(カルチャー&ライフスタイル)

人物を軸にした物語が得意。クリエイターの背景や価値観を深掘りする長めのストーリーに向いています。

GQ Italia(メンズ&カルチャー)

男性視点のスタイル/プロダクト/テック領域に強い媒体。機能美やクラフトの合理性を語りたい案件に合います。

Wired Italia(テック×カルチャー)

素材・製造・サステナの技術要素、インタラクティブ展示、AIや循環型プロジェクトなどと相性が良い媒体。

Domus(デザイン/建築)

国際的権威を持つ専門誌。空間・家具・プロダクトの審美眼と批評性が特徴。図面・プロセス・設計思想が揃った案件で力を発揮します。

Abitare(デザイン/建築)

居住文化とデザインの交点を丁寧に掘る媒体。住宅やリテール空間の改善事例など、生活者視点で語れるテーマと相性が良いです。

INTERNI(デザイン)

ミラノデザインウィークの特集に強み。テーマとの相性やコラボの広がりを示せる案件に向いています。

FashionNetwork Italia(B2Bファッション)

業界向けの速報媒体。卸・小売・人事・海外展開など、ビジネス寄りのニュースと相性が良いです。

Pambianco News(B2Bファッション/デザイン)

企業動向・投資・採用・経営人事に強い媒体。増床・新工場・旗艦店など、経営判断に直結する話題を扱いやすいです。

AD Italia(インテリア/建築)

洗練された空間と職人技が強み。住宅やホスピタリティ領域のプロジェクトに適した媒体です。

Corriere Moda(全国紙のファッション面)

Corriere紙のモード面。都市文化や消費トレンドと絡めた読み物に向いています。

L’Uomo Vogue(メンズハイモード)

クラシックと先端の両立がテーマ。素材・仕立て・サステナの職人性を見せたい案件に。

Il Messaggero(全国紙)

ローマを中心とする全国紙。首都圏の文化イベントや旗艦店、官民連携の話題と好相性です。

Sky Arte / RAI Cultura(カルチャー系)

展覧会・インスタレーションの可視化に適した媒体。映像・作品展示との相性が高いです。

 

事例解説:PressReleaseJapan

Tokyo Creative Salon 2025(東京×ファッション&デザインの都市回遊型)

東京全域を舞台にクリエイティブを見せる祭典。期間・会場・テーマを明確にし、都市文脈とサステナの両立を示した好例です。

http://pressreleasejapan.net/2025/03/31/tokyo-creative-salon-crosstown-fashion-amp-design-fair-promoting-tokyo-as-a-world-leading-creative-city/

Yamaha Design Laboratory—Milan Design Week 2023 展示

音楽と暮らしをつなぐ家具の提案。ミラノでの展示に合わせ、作品数・会期・会場情報を整理し、国際見本市の編集慣習に沿った素材設計を行った事例です。

http://pressreleasejapan.net/2023/02/28/yamaha-design-laboratory-to-present-you-are-here-exhibition-at-milan-design-week-2023-furniture-that-makes-life-with-musical-instruments-fun/

Hedy—海外向け日本発ヴィンテージ・ファッションEC

ターゲット地域と編集方針を明確にし、独自のキュレーションを打ち出した告知。B2Cでも“編集観の言語化”が価値につながる例です。

http://pressreleasejapan.net/2022/01/25/online-japanese-vintage-fashion-store-hedy-launches-for-overseas-customers-with-a-brand-focus-on-japan-originated-fashion-hedy-opens-on-january-15-2022/

※上記事例はイタリア配信以外のリリースも含まれています。

最新動向と示唆—ミラノFWとデザインウィークを起点に

近年は国際イベントと報道が強く連動し、ショーやインスタレーションが都市のストーリーとして機能するようになっています。ミラノ・ファッションウィーク期は、ファッション×アート×テックが交わる企画が増え、自治体や業界団体との協働も広がっています。

編集側は「職人の手仕事とテクノロジーの共存」に関心が高く、都市文化を更新する力としてファッション/デザインを見る傾向にあります。PR側は、数値(雇用・観光・輸出)と審美(職人・素材・写真)を同じ台本にのせ、上記二層の媒体に合わせて調整することが成果に直結します。

 

まとめ

イタリア市場では、通信社と全国紙で社会的背景を固め、専門媒体で審美性やプロセスを深掘りする「直列の流れ」が重要。ミラノを中心としたファッション・デザイン文脈では、クラフトとテックの両立や都市文化への寄与を言葉にすることで、記事化の精度が上がります。

優先メディアTOP20を使い分けつつ、イベント期(ミラノFW/サローネ)に向けて素材・コメント・図版を事前に準備する運用が効果的です。PressReleaseJapanの事例が示すように、会期・会場・作品数など“編集がすぐ使える情報”を整えるだけで、海外配信の成果は大きく変わります。

今後は、サステナや地域職人との協働を軸に、経済の数字と審美の物語を一本の流れにまとめ、通信社→全国紙→専門媒体→国際版へと広げていきましょう。

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