COLUMN 海外メディア戦略コラム

アジア:中国の主要メディアまとめ【ニュース編】

中国本土、つまり大陸地区と呼ばれる地域ではほかの地域とはまったく異なるインターネット政策が展開されています。その名も金盾という施策で、英語名はグレート・ファイアーウォール。万里の長城に習い、中国本土のまわりにネット世界における巨大な壁を構築。その壁の内側で暮らす人々に提供されるネット情報は中国当局による検閲を施されたもので、共産党にとって都合の悪いキーワードは検索することができないなど、さまざまな制約が課されています。

そんな特殊な環境のなかで、中国本土からトラフィックの流入の大きなニュース系メディアにはどういったものがあるのでしょうか。ここでは10のメディアに絞ってご紹介していきましょう。

※以下の数値等のデータは2018年5月18日現在(SimilarWeb調べ)のものです

  1. 01. XinHuaNet

シンファ・ネット|http://www.xinhuanet.com/english/home.htm

カテゴリーランキング:459位|月間ビジター数:3,154万

平均滞在時間:1:28|平均PV:2.20|直帰率:76.14%

XinHuaNetは1997年11月7日にローンチしたニュース系メディア。日本では新華社通信として知られる北京に本社を持つ中国の国営通信社によって運営されています。中国語によるニュース・サイトだけでなく英語圏向けのサイトも立ち上げており、世界における大国のひとつとなった中国にまつわる最新ニュースを求めるユーザーが日々アクセスしています。2000年3月10日にリニューアルし24時間ニュース配信をスタート。国営メディアとして、世界における中国の好意的なイメージを醸成することも使命の一つとしています。

 

  1. 02. BBC

BBC|https://www.bbc.com/news

カテゴリーランキング:11位|月間ビジター数:60,770万

平均滞在時間:4:28|平均PV:3.69|直帰率:48.36%

英国放送協会による世界を代表するニュース系メディアのひとつ。もともと英国政府によるファンドによって創立されたこともあり、企業利益を追求する方針を取っていません。正確でバイアスのないレポートに対する厚い信頼を獲得しており、90年を超える歴史を誇ります。右派や左派に関係なくメインのニュース・ソースのひとつと認知されてはいますが、英国の長い伝統によって育まれた若干左派よりな見解と感じる人もいるかもしれません。

 

  1. 03. Global Times

グローバル・タイムズ|http://www.globaltimes.cn/index.html

カテゴリーランキング:4,983位|月間ビジター数:139万

平均滞在時間:2:24|平均PV:2.07|直帰率:64.32%

Global Timesは中国の変化を理解したいと思っている英語圏のユーザーにおすすめのニュース系サイト。2009年4月にローンチし、中国メディアのなかでももっともダイナミックな成長を続けるプレイヤーのひとつとして認知され、国を代表する英語系サイトのひとつにまで急速に上り詰めました。AIDSによる子供の犠牲者や都市再開発、強制疎開や汚職に対する講義など、さまざまな議論の的となっている話題を深掘りして提供。また中国の死刑制度や新しい国際秩序の形成への取り組み、そして拡大する格差問題まで、熱のこもった見解を展開しています。

 

  1. 04. AP News

APニュース|https://www.apnews.com/

カテゴリーランキング:44位|月間ビジター数:1,670万

平均滞在時間:1:43|平均PV:1.62|直帰率:77.33%

AP Newsはグローバルなネットワークを誇るアメリカの大手通信社によるニュース系サイト。さまざまなニュース番組を見ているとあちこちにAPのロゴがついているのをよく目にすると感じる人は少なくないのではないでしょうか。世界中の通信社に先駆けてニュースを発信し、他社がその記事を流用して展開するといったケースが多いためです。組織としては非営利でありスポンサーシップや政府ファンドによるバックアップもありません。中庸路線を採用し、右派や左派のどちらにも与しない記事を提供しています。

 

  1. 05. The Economist

エコノミスト|https://www.economist.com/

カテゴリーランキング:15位|月間ビジター数:1,849万

平均滞在時間:1:49|平均PV:1.92|直帰率:72.07%

The Economistは若干左寄りな見解を提供するニュース系サイト。それにも関わらず、ほかの多くの中庸路線のニュース系メディアを押さえてハイクオリティなレポートを提供するサイトのひとつとの名声を得ています。「特権階級や尊大さといったものに反旗を翻すためのパブリケーション」をモットーに展開。政治的スペクトルの両サイドについての問題を擁護しながらも、自由貿易や自由市場にフォーカスする理想を掲げながらそれに組する政党に好意的な姿勢を表明する方針となっています。

 

  1. 06. China.org.cn

チャイナ・org.cn|http://www.china.org.cn/

カテゴリーランキング:3,858位|月間ビジター数:171万

平均滞在時間:1:48|平均PV:2.92|直帰率:64.59%

China.org.cnは中国政府による認証を受けたニュース系サイト。中国の今を伝えるニュースをグローバルに伝えるだけでなく、政府のさまざまな方針説明文書を検索できるサービスを提供したり、中国の歴史や政治、経済、そして文化などについてのベーシックな情報を豊富に提供したりしています。中国の國務院新聞辦公室と北京に拠点を持つ中国图书对外推广网(中国国際出版グループ:CIPG)による共同運営となっています。

 

  1. 07. npr

エヌピーアール|https://www.npr.org/sections/news/

カテゴリーランキング:156位|月間ビジター数:8,945万

平均滞在時間:1:44|平均PV:1.68|直帰率:78.43%

nprはジャーナリスト的要素に秀でていると評されるアメリカのニュース系メディア。アメリカにおいては公共放送がリベラルな政治的見解に強く結びついていることが議論になることが多くありますが、nprは政府系ファンドの支援を受けつつも一切のバイアスを受けないフリーな立場を貫いています。保守派層はnprの記事を信用しない向きがありますが、ジャーナリズム的洞察力に優れており、必要があれば修正記事をすぐに配信するといったフェアなレポート姿勢が高く評価されています。

 

  1. 08. REUTERS

ロイター|https://cn.reuters.com/

カテゴリーランキング:142位|月間ビジター数:7,699万

平均滞在時間:3:08|平均PV:2.41|直帰率:54.54%

REUTERSはAP通信と並んでよく記事が流用されるニュース系サイト。その最大の理由は長い歴史を持ちながら質の高いレポートで確固とした名声を確立しているためです。「ニュートラルな価値によるアプローチ」を掲げてレポートからバイアスを排除しようと務めるあまり、ニューヨークにおける9.11の後には”テロリスト”という用語を使用することを拒否したため、大きな議論を招くまでになってしまったほど。それほど一貫した姿勢を誇るREUTERSが独自に制作した記者のためのハンドブックは、ジャーナリズムを志す人間にとってのバイブルとも称されています。

 

  1. 09. The Wall Street Journal

ウォール・ストリート・ジャーナル|https://www.wsj.com/

カテゴリーランキング:5位|月間ビジター数:7,247万

平均滞在時間:3:34|平均PV:2.14|直帰率:67.35%

The Wall Street Journalは知らない人がいないと言ってもいいほど知名度の高いニュース系サイト。世界的なメディア王であるルパード・マードックが率いるニューズ・コーポレーションによって運営されています。アメリカに数あるメディアのなかでももっとも信頼に足るものの一つとして認識されており、グローバルなニュース、そして特に経済ニュースにおける情報の鮮度そして正確さにおいて高い評価を得ています。

 

  1. 10. ProPublica

プロ・プブリカ|https://www.propublica.org/

カテゴリーランキング:3,059位|月間ビジター数:296万

平均滞在時間:1:45|平均PV:1.90|直帰率:75.21%

ProPublicaは今後の成長が大いに期待されるニュース系サイト。nprのニュースをよく読んでいるといった方であればおそらく聞いたことがあるのではないでしょうか。AP通信と同じように非営利組織、かつ非政府ファンドの組織であり、ちまたに数あるオンライン・ニュース系メディアにおいて初めてピューリツァー賞を受賞したということを聞けば、そのクオリティの高さがわかるでしょう(その後も複数回受賞)。ここにご紹介した世界的な大手メディアに比較すると組織の規模としては小さいですが、今後間違いなく大きな組織に成長するとともに世界的な名声を獲得するサイトのひとつと言って間違いありません。

 

このように、中国本土で人気のニュース系メディアのなかには中国に本拠地を持つメディアがある一方、アメリカやイギリスなどに拠点を持つグローバル展開を行う英語系メディアが多いことがわかります。しかもそれら英語系メディアの多くが主要国ごとに独自のサイトを配信しており、中国本土独自に編集されたサイトも存在しています。

 

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