COLUMN海外メディア戦略コラム
2020米大統領選直前!各陣営のSNS攻防
コロナが世界の話題をさらう中、アメリカにおいて大きな話題となっていることがあります。2020年11月に迫った「アメリカ大統領選」です。
以前の記事でも述べたように、大スキャンダルや大幅な経済・治安の悪化がない限り、アメリカ大統領は再選することが一般的でした。しかしながら、2020年の11月に実施される『現トランプ大統領vs民主党候補バイデン氏』によるアメリカ大統領選においては、バイデン氏有利の見方が多いのです。
大統領選を目前に備え、SNS上での攻防も盛り上がりを見せています。「ツイッター大統領」とも言われるトランプ大統領が、どのような投稿を行うかにも注目をしたいところ。本記事では、大統領選直前の各陣営におけるSNS活用術について紹介します。
アメリカにおけるSNS利用状況
画像引用元:We Are Social
本題に入る前に、アメリカ国内におけるSNSの利用状況について簡単に触れておきましょう。We Are Socialが報告したアメリカ国内のSNS利用状況によれば、アメリカ国民の70%が何らかのSNSを利用していると報告されています。また、国民がSNSに費やす平均時間は2時間3分。日本の45分(参照)と比べると2.5倍以上の時間をSNSに費やしているのです。
日本でもSNS(とくに発信力の強いTwitter)の政治活用が話題になりますが、アメリカにおいては、政治分野でのSNSの発信力は日本の比ではありません。SNSの効果的な活用が、より多くの支持者を集める大切な手段の1つなのです。
アメリカ大統領選におけるSNSの活用
アメリカ大統領選におけるSNSの活用は、今に始まったことではありません。以前の記事にて、アメリカ大統領選【2020】の候補者たちのTwitter活用術を紹介しましたが、多くの候補者たちは2010年以前からTwitterを使いこなし、多い人であれば1万を超えるツイートを行っています。
しかしながら、SNSを最も効果的に活用したのは、現アメリカ大統領のトランプ氏でしょう。トランプ陣営は、2016年の選挙活動資金の45%をオンライン世論調査やビッグデータの活用に投じました。Facebook社の選挙広告専用のマーケティングサービスにも約10万ドルの選挙広告費を投入し、1億3000万人近くのアメリカ人にリーチすることにも成功しています(参照)。
トランプ氏は、SNSを活用した効果的なマーケティングにより、選挙に興味がなかった若者世代を巻き込むとともに、富裕層に対する不満をはっきりと口に出すことにより、アメリカに対して不満を持つ人たちの心を見事に掴みました。SNSを効果的に活用した勝利劇として、画期的な選挙であったと言わざるを得ません。
アメリカ大統領選【2020】に向けたTwitter活用術
それでは、11月に迫った大統領選に向け、トランプ大統領とバイデン氏は、どのようにSNSを活用しているのでしょうか。本記事では、数あるSNSの中でも、影響力が強いとされるTwitterの活用術に関して紹介します。
トランプ大統領のTwitterの状況
画像引用元:Twitter
Twitter参入日:2009年3月
ツイート数:5万5300回
フォロワー数:8570万人
ツイート頻度:毎日10回以上
トランプ大統領は、8570万人というものすごい数のフォロワーを抱えています。このフォロワー数は、世界でも第7位にランクインする値です。さらにツイートの数は5万回を超えており、1日のツイート数にはばらつきがあるものの、多い日には100回を超えるツイートを行うという徹底ぶり。最近では1日3万人のフォロワーが増え続けており、「Twitter大統領」の名前は健在といったところでしょう。
トランプ大統領のTwitter活用に関する情報
トランプ大統領のTwitter活用法と言えば、他の大統領では見られないような批判的、攻撃的なツイートを思い浮かべる人も多いでしょう。また、自分の思ったことをすぐにツイートすることでも知られており、2020年8月には、コロナに関する不確かなツイートを行ったことで、Twitter社が大統領のツイートを削除するという異例の対応が行われたこともありました(参照)。
トランプ大統領のTwitterに関する評価は真っ二つに分かれており、トランプ大統領はTwitterをやめるべきだという意見が昔からあったのも事実です(参照)。しかしながら、トランプ大統領はTwitterを自らの意見発信のツールとして選択し、継続してツイートを行ってきました。
2016年の選挙では、SNS活用が大きな武器となり、大統領として選ばれたトランプ氏ですが、2020年の選挙では、トランプ大統領が行ってきた不確実な情報発信が原因で支援者離れが進んでいるとも言われています。
また、トランプ大統領は劣勢とみるや、コロナに関連させた中国関連情報をSNSで積極的に発信し、支持者を得ようとしていると報道するメディアもあります。コロナ対策の評価も相まって、どのような結果になるのか、まったくわからない状態です。アメリカ大統領選の行方から目が離せません。
民主党候補バイデン氏のTwitterの状況
画像引用元:Twitter
Twitter参入日:2007年3月
ツイート数:5692回
フォロワー数:910万人
ツイート頻度:ほぼ毎日10回程度
トランプ大統領には及びませんが、バイデン氏もTwitterでの発信に力を入れています。特に最近のフォロワー数の伸びは顕著で、毎日平均5万人程度のフォロワーが増えており、国民からの期待の高さがうかがい知れます。前回の記事(1月3日付けのデータ)と比べると、フォロワー数は2倍以上でツイート数も大幅に増加。大統領選に向けてどのようなSNS活用が見られるのかに注目が集まります。
民主党候補バイデン氏のTwitter活用に関する情報
アメリカ大統領選が近づくにつれ、アメリカ大統領選の恒例行事とも言える候補者叩きが激しくなってきました。バイデン氏も、トランプ氏が再選することで起こる問題や情報発信の不正確さ、コロナ対策の問題、黒人差別問題、税金の隠蔽など、具体的な例を挙げたツイートの投稿が多くなってきています。
とはいえ、トランプ大統領と比べるとTwitterの影響力は弱いバイデン陣営。そこでバイデン陣営は、世界で大ブームを迎えている「あつ森(あつまれ どうぶつの森:任天堂)」を活用した選挙運動を開始しました(参照)。あつ森はもちろんゲームではありますが、ネット上で複数の人々が相互にやりとりする場ということを考えると、SNSと非常に近い存在とも言えます。あつ森が選挙の結果にどのような影響を及ぼすのかはまだわかりませんが、新たなプラットフォームの選挙活用に、大きな注目が集まっています。
終わりに
アメリカ大統領選まで残すところわずかになりました。アメリカ大統領選の行方は、世界経済にとっても大きな影響を及ぼしますので、海外マーケティングに携わる方であれば必ずチェックするようにしましょう。
また、大統領選におけるSNS活用の重要性は、これまでにも述べてきた通りです。SNSは効果的に用いることで、大きな宣伝効果を生み出します。もしかしたら、大統領選の中から、あなたにぴったり合ったSNSの活用法が見つかるかもしれません。マーケティングの観点からも、アメリカ大統領選の動向にぜひ注目してみてください。
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