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欧州のeSports事情

新型コロナウイルスの感染が収まらない中、業種によって大きく明暗が分かれるようになってきました。航空産業や観光業は未だに改善の兆しが見られない一方で、絶好調を維持し続けているのがゲーム産業です。esportsはコロナ拡大当初は大会中止などで大きく混乱していましたが、遠隔でも対戦できるという利点を活かし、2021年には多くの大会が開催されています。

本記事ではコロナ禍真っ只中の2020にesportsがどのような成長を遂げたのかをデータをもとに紹介するとともに、欧州のesports事情についても紹介します。

北米のesports事情についてはこちらの記事をお読みください。

データから見るesportsの今

esportsは2020年にどのような成長を遂げたのかについて、データをもとに見ていきましょう。

データはnewzooが発表したGlobal Esports Market Reportを利用しています。

 

2020年のesports観戦者数

2020年のesportsの観戦者数は、2019年と比べ、約5,200万人増の4億9,500万人と報告されています。esportsの人口は毎年5,000万人ほど増加すると試算されており、2020年も例年通りの成長が見られたといえます。

 

2020年のesports収益

続いて2020年のesportsの収益について見てみましょう。2019年から2020年にかけて約1億5,000万ドル増加した約11億ドルと報告されています。今後は順調に成長が見込まれており、2023年には15億ドルを超えると予想されています。

これらのデータを見る限りでは、esports市場は、コロナの影響を一時的には受けたとしても、2023年に向かって力強く成長していくと考えられます。

 

欧州のesports事情

では、欧州のesports事情はどうなっているのでしょうか。様々な観点から見ていきたいと思います。

欧州のesportsシェア

まず、esportsの市場シェアですが、トップはやはりアメリカやカナダなどの北アメリカ、そして巨大な人口を抱える中国、そしてゲーム大国として知られる韓国が続きます。欧州はその他に含まれ、世界的なシェアはそれほど大きくはないといえます。

データで見るeSports / eスポーツ業界・市場動向レポート(日本・海外)より

欧州におけるesportsアスリートの賞金額およびプレイヤー数

続いて、eスポーツでの賞金獲得額とプレイヤー数を見ていきましょう。こちらのデータによれば、賞品額上異国に、デンマークやフィンランド、フランス、スウェーデンなど、欧州の国が多数ランクインしています。

これはつまり、プロesportsプレイヤーとして高額の賞金を稼いでいるプレイヤーが欧州に多いことを意味します。欧州は熱狂的なesportsプレイヤーやファンが多いとも言われており、esportsに本格的に取り組む人々が多いと考えてよいでしょう。

これらのデータを考慮すれば、esportsにおける欧州のシェアはまだまだ大きくないものの、プロとして最前線で活躍する選手やesportsの熱狂的なファンが多いといえます。今後、各国の法整備が進むにつれ、欧州のesports熱はさらに拡大すると考えてよいでしょう。

 

2021年のesports大会はオンライン開催で問題なく実施

2020年はコロナの拡大を受け、中止になることが多かったesports大会でしたが、2021年は万全の準備の元、オンラインで開催される大会が急増しました。

たとえば、「DreamHack Masters Spring」は毎年ヨーロッパで開催される中では最大規模のesports大会ですが、2021年はオンラインで開催。これまでのような熱気溢れる会場の雰囲気はなくなってしまいましたが、その分選手たちのスーパープレーに集中できるようになり、ゲームの魅力がより伝わる大会となりました。

多くの選手そしてファンたちが会場型の大会を待ちわびているものの、オンラインでも代替できるというのは、esportsの最大の強みといえるかもしれません。

 

欧州各国におけるesports事情

ここまで欧州のesports事情について紹介してきましたが、実際は国ごとに異なる事情を抱えています。最後に各国の特徴的なesports事情について紹介します。

 

ドイツがesportsビザを発行開始!

esportsの大会を開催する際に大きな問題になるのがビザです。esportsの大会に参加するためにビザを取得しようとする際、適切なビザの取得に苦戦する選手たちも多いといいます。これを受け、ドイツは2020年にesports選手や関係者に対して発行できるesportsビザの発行を開始。これにより、ドイツ国内での大会が実施しやすくなりました。今後、esportsがドイツで開催されることが増えていくかもしれません。

 

イギリスのエンタメ市場はビデオゲームが圧巻!

イギリスはもともとビデオゲームが盛んな国ですが、コロナによるステイホームを受け、ビデオゲーム人口が急激に増加したといいます。イギリスではコロナが流行している間はゲームで凌ぐように医療関係者が進めたこともあり、ハード機の売上が2020年に急上昇。エンタメ市場の半分以上をビデオゲームが占める結果になったということです。

イギリスでは有名esports選手はそれほど多くはありませんが、コロナをきっかけにプロ選手が大量に排出されるかもしれません。

 

ノルウェーの高校ではesportsがすでに授業科目に?!

ノルウェーは欧州の中でも早い時期からesportsをスポーツとして取り扱う取り組みを進めてきた国です。ノルウェーの公立ガーネス高校では、2016年から「esports教育」を取り入れており、高校3年間にわたり、週5時間のesports科目が取り入れられました。選択科目という位置づけとはいえ、esportsを国として受け入れる体制づくりを進めています。

 

終わりに

本記事では、2020年のesports事情や、欧州のesports事情について紹介しました。esportsはコロナによる影響をそれほど受けることなく実施できることに加え、ステイホームや巣ごもり需要と相性がよいことから、プレイヤーや観戦者の数を順調に伸ばしています。

esports市場もこれからの数年間は確実に伸びていくと考えられていることに加え、今後のテクノロジーの進化により高性能のゲームがリリースされれば、esports市場がさらに盛り上がることは間違いありません。ゲーム業界の方であれば、esportsの動きは無視できないでしょう。

弊社のサイトでは、世界のesportsの最新動向についても適宜発信しています。世界のゲーム業界の動向に興味がございましたら、ぜひまたのぞきにきてください。

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