COLUMN海外メディア戦略コラム

北米のesports事情

コロナによって世界が大打撃を受ける中、業績を伸ばしている業界があります。「esports」です。オリンピック・パラリンピックが中止になったように、esportsも、世界中で開催予定のイベントが中止になるという困難にぶち当たりました。しかしesportsは「Stay Home」をうまく利用し、より多くのファン獲得に成功しているのです。

さらにアメリカでは、スポーツ選手がesportsに参戦し、「リアルスポーツ×esports」のコラボレーションにより大きな成功を収めるといった事例も生まれるなど、esportsの存在感は着々と拡大しています。

本記事では、コロナ禍におけるesports事情とともに、アメリカの特徴的な事例について紹介します。

コロナ禍のesportsの状況

はじめに、コロナ禍におけるesportsの状況について見ていきましょう。

コロナウイルスの拡大でesportsイベントがすべて中止に

東京オリンピック・パラリンピック2020が中止になるなど、コロナによって大きな影響を受けたスポーツ界ですが、esports界もコロナによって大きな影響を受けています。

例えば、2020年に開催予定であった世界各国のesportsイベントは、ほとんどが延期もしくは中止になりました。世界最大級のesportsイベントの1つと言われる「EVO 2020」は、2020年8月にアメリカ・ラスベガスで開催予定でしたが、コロナの影響を受け中止に。2019年のイベントでは、競技参加者だけでも1万4,000人以上が参加し、2020年はより規模の大きな大会になると予想されていたため、esports界に与えた影響は甚大なものでした。

実際、2020年のesports関連のチケット売上は予想をはるかに下回る値になると予想されており、メディア権利やスポンサーシップの金額も下方修正されています(引用元はこちら)。大きな躍進が期待されていた年だったため、esports界が被った被害は相当なものになると考えられます。

ゲームに費やす時間は増加。ストリーミングサービスが人気に

世界各国のイベント中止を受け、esportsの主要大会はこぞって中止、もしくは延期対応に追われました。しかしながら、代用として実施しているオンラインイベントの中継動画や有名ゲーマーが配信するストリーミング動画に大きな注目が集まっているのです。

IDCの報告によれば、ゲームの人気ストリーミングサイトであるTwitchには、より多くの視聴者が集まっており、2019年12月と比べると、2020年5月の時点では平均視聴者数が89%の増加。『Call of Duty:Modern Warfare』や『Escape From Tarkov』などの人気タイトルでは、約2.8倍もの視聴者増が見られたと報告されています。

近年、大きな盛り上がりを見せるesportsイベントの開催は難しくなったものの、オンラインを活用した代替イベントが可能なesportsは、他業種と比べるとコロナの被害を受けにくい、もしくは他の方法でフォローが可能と言えます。また、国際的な「Stay Home」の方針と相まって、より多くのファン獲得に成功しています。

 

2023年に向けてesports業界の収益が大きく拡大

Newzooがコロナの現状を踏まえて報告した改訂レポートでは、2023年のesportsの収益は、以前の予想である1.55億ドルよりも4,200万ドル高い、1.59億ドルになる見込みだと報告しました。コロナで大きな影響を受けているにもかかわらず、長期的な収益が増額に修正されるなど、esportsは新しい方向性を見いだすことに成功しています。esportsが今後、どのように成長していくのかに大きな注目が集まっているのです。

 

アメリカではスポーツ選手がesportsに参戦

公式チャンネル:YouTube

アメリカでは、NBAなどのさまざまなスポーツイベントが中止になりました。そんな中、アメリカプロバスケットボールリーグのNBAと、ディズニー傘下のスポーツ専用チャンネルのESPNがタッグを組み、スポーツ選手によるesports大会を参戦するというイベントを企画し、大きな注目を集めました。

ゲームのタイトルは、NBA公認のゲームソフトである「NBA 2K」で、NBA選手16人が参加するトーナメントを設定。ケビン・デュラント選手をはじめとするNBA選手が参加し、日本人の八村塁選手も参加したことで、日本でも大きな話題になりました。

これにより、リアルスポーツのファンがesportsにも興味を持つとともに、ゲーマーがNBA選手をよりよく理解することにも貢献。リアルスポーツとesportsの垣根を崩した非常に重要な意味を持った事例と言えるでしょう。

今回の事例のように、スポーツ選手がesportsを楽しむ事例は増えてきており、テニス業界では、Switchの「マリオテニス エース」を利用したオンライントーナメントが開催され、日本からは大坂なおみ選手や錦織圭選手が参加したことでも注目を集めました。

このように、オンラインをベースにさまざまな展開が可能なesportsは、コロナ禍にあってもアイデア次第で大きく成長する要素を持っているのです。

 

おわりに~esportsの将来性とは~

イギリスのロンドンに拠点を置く、スポーツのビジネス事情を中心に取り扱うメディア「SportsPro」では、自宅からも参加が可能なesportsは、コロナ禍のビジネスとして非常に相性がよく、今後の拡大が大きく期待される分野であると紹介しています。ゲーマーのさらなる取り込みとともに、他ジャンルとコラボした企画を展開していくことで、さらなるファンの獲得にもつながるでしょう。

今回、プロスポーツがesportsとコラボすることで注目を集めたように、esportsとコラボすることで大きな恩恵を受ける業界はたくさんあると思います。マーケティングで成功するためには、柔軟かつ斬新な視点が大切です。もしコロナによる業績悪化を改善したいとお考えでしたら、さまざまな企業を成功に導いてきた弊社まで、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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