COLUMN海外メディア戦略コラム
世界でバズったTik Tok楽曲【2019】
以前の記事にて、「Old Town Road」がTik Tok上でバズり、12週連続で全米No.1に輝いたことを紹介しました。この偉業の達成には、Tik Tokのmeme(ミーム)チャレンジが大きく影響しています。ミームとは、ユーザーがマネやアレンジを加え、楽しみながら広がっていくコンテンツのことを指します。このミームが今、音楽業界の新たなPR手法として大きな注目を集めているのです。そこで本記事では、TikTokのミームチャレンジによってバズった楽曲6選を紹介します。
1.Old Town Road
「Old Town Road」は、アトランタ出身の20歳ラッパーLil Nas
Xが2018年12月にリリースした楽曲で、2019年にTikTokで頻繁に使用されるようになり大ヒットしました。
「Old Town Road」に合わせてユーザーがカウボーイに変装する「Yeehaw Challenge」が若者の間で大流行し、様々な人々が「Old Town Road」をTik
Tokのバックミュージックとして使用。すると同曲は、ビルボードのカントリー・チャートにランクインを果たします。
しかし、ビルボードは、「Old Town Road」をカントリー・チャートの要素を十分に含んでいないという理由で排除。これに疑問を持った「Billy Ray
Cyrus」が助け舟を出し、コラボした楽曲「Old Town Road ft. Billy Ray
Cyrus」が2019年4月5日にリリースされると、話題性も相まって一躍大ヒット。12週連続で全米No.1に輝くという偉業を達成したのです。その後も、YouTube上のミュージックビデオの再生回数は増え続け、Tik
Tokでは多くの若者がミームチャレンジを続け、全米では知らない人がいないほど有名な楽曲になりました。SNSによって注目を集めるようになった代表的な楽曲の1つといってよいでしょう。
Tik Tokの動画を集めたYouTubeページ(参照)
2.The Git Up
Old Town Roadの「Yeehaw Challenge」に続いて人気を博したのが、2019年5月3日にリリースされたBlanco Brownの楽曲「The Git
Up」です。Blanco Brownはミュージックビデオの中で、「ラインダンス」を披露したところ、このラインダンスが「ダンスチャレンジ」として一躍人気に!Blanco
Brownもこの波に乗ろうとばかりに、ダンスのチュートリアルビデオをYouTubeに投稿しましたが、Tik Tokユーザーはマネではなく、ダンスを「独自」にアレンジし、様々なタイプのダンスをダンスチャレンジとしてTik
Tokにアップロードしました。
残念ながら、トップ10に入ることはかないませんでしたが、ほぼ無名のシンガーが最高で14位という快挙を成し遂げたのは、Tik
Tokによるミームチャレンジのおかげといえるのではないでしょうか。
Tik Tokの動画を集めたYouTubeページ(2023年現在は非公開)
3.Til The Morning
「Til The Morning」は、2011年11月8日にKeith
Sweat他がリリースしたアルバムに含まれている1曲です。このアルバム自体は大きなヒットになることはありませんでしたが、「パーティーパーティーパーティー」という1フレーズを含んだ曲の一部がTik
Tokのバックミュージックとして大流行。約10年の時を超え、一躍人気曲に躍り出ました。
「パーティーパーティーパーティー」というフレーズに合わせて、ユーザーが思い思いのダンスや表現を披露する「ダンスチャレンジ」の一種として世界中に広がりました。古い楽曲であっても、曲の1部が魅力的であればTik
Tokでバズる可能性があることを示す非常に興味深い一例です。
Tik Tokの動画を集めたYouTubeページ(2023年現在は非公開)
4.Truth Hurts
「Truth Hurts」は、アメリカのラッパーLizzoによって2017年9月19日にリリースされた楽曲です。この楽曲もTik
Tokのミームチャレンジとしてバズったのですが、興味深いのは、上記の楽曲のようにダンス用としてではなく、歌詞の内容「私はDNA検査を受けたばかりです」を表現するという独特の方向性で人気を高めた点です。Tik
Tokユーザーが、歌詞に合わせ綿棒などで口の中からDNAを取得し「100%」という表示を出す「100%チャレンジ」と名付けられたミームチャレンジは、ダンスが苦手な人々の中でも大ヒットし、Tik
Tokに新たなユーザー層を引き込んだといわれています。また、使用された楽曲「Truth Hurts」の人気が上昇したことはいうまでもありません。
Tik Tokの動画を集めたYouTubeページ(参照)
5.Eenie Meenie
ジャスティンビーバーが2010年3月23日にリリースした楽曲「Eenie Meenie」もTik Tokで大ヒットし再流行しました。曲中の「Let Me Show You
What Your
Missing」というフレーズに対するアンサーを面白おかしく表現するというミームチャレンジがバズり、いかにリアリティを込めたアンサーができるかに注目が集まりました。このミームチャレンジのおかげで、約10年前にアップロードされたYouTube上のミュージックビデオの視聴回数が急上昇しました。
Tik Tokの動画を集めたYouTubeページ(2023年現在は非公開)
6.Choices(Yup)
E-40として知られるアメリカ人ラッパーEarl T. Stevensの楽曲「Choices(Yup)」もTik
Tok上でバズった楽曲の1つです。曲の中で何度も使用される「Yup」「Nope」を利用し、Tik
Topの15秒間の動画をいかにストーリー性のある面白いものにできるかというミームチャンレジがバズりました。リアルな動画だけでなく、動画編集機能ともマッチしたこの楽曲は、Tik
Tokの楽しみ方の枠をさらに拡げたとも捉えることができます。
Tik Tokの動画を集めたYouTubeページ(参照)
終わりに
本記事では、2019年にTik
Tokでバックミュージックとして使用されたことでバズった楽曲6選を紹介しました。以前のソーシャルメディアは、あくまでも曲を広めるために利用されていましたが、最近では、ソーシャルメディアを効果的に活かすことで楽曲をバズらせるという使い方ができるようになってきたのです。アメリカを始め、世界中で流行っているソーシャルメディアを活用したPRは、音楽分野に留まらず、様々なジャンルに広がっていくと考えられています。世界最先端のSNSマーケティング、ソーシャルメディアマーケティングに興味がある方は、ぜひ弊社までお気軽にお問い合わせください。