COLUMN 海外メディア戦略コラム

会社創設から15年。YouTubeの現状と今後

昨今、世界中で大ブームを巻き起こしているYouTube。2005年に会社が創設された後、15年間が経過しました。あなた(You)のためのテレビチャンネル(Tube)という、いつでもどこでも視聴でき、そして自分のチャンネルを持つことを目指して創設された動画共有プラットフォームは、私たちの予想を超えるスピードで進化し、今では、世界2位のトラフィックを獲得するサイトへと成長しました。

 

昨今では、You Tuberが注目を集め、YouTubeを活用したPRの重要性が高まっていますが、YouTubeを舞台にPRを行う場合、YouTubeの規約や昨今の動きを知ることが非常に重要です。そこで本記事では、YouTubeの歴史を振り返るとともに、規約の重要な変化について確認します。

YouTubeの歴史

YouTubeは2005年2月14日に、paypalの従業員であったチャド・ハーリー、スティーブ・チェン、ジョード・カリムらによって、アメリカ合衆国・カルフォルニア州で設立されました。

2005年4月23日にYouTubeに初めての動画が投稿されましたが、当時の動画は最大で10分までの短い動画でした。初めて100万再生を突破した動画は、ロナウジーニョが出演したNikeの広告動画だったといわれています。

 

その後、YouTubeはアメリカ国内で少しずつ知名度を獲得していきますが、1つ大きな問題がありました。プラットフォームの維持には莫大なお金がかかる一方、YouTube社の収入の見通しが立たなくなってきたのです。

そんな中、YouTube社は大きな転機を迎えます。それが、2006年10月9日に行われた、Google社によるYouTubeの買収です。16億5000ドル(当時の為替レートで約1950億円)が支払われた当買収により、YouTubeは資金の問題を解決することができたとともに、新しい資金源を手に入れたことになります。そうです。それがGoogleと連動した「オンライン広告」からの収入です。

 

その後、YouTubeは急激な速度で進化していきます。時間と場所に縛られないというYouTubeの特徴が全米でヒットし、視聴者の数は急激に増加しました。また、誰でも自由に動画をアップロードできるという気軽さから、多くの若者が遊び感覚で動画をアップし、利用者を伸ばしていきます。

 

しかし当時、著作権やプライバシーがまったく守られていない動画が大量にアップされていたことで、YouTubeは動画の不法地帯だといわれるようになりました。そこでYouTubeは2007年にContent IDを導入しました。Content IDによって、著作権のある音楽や映像などを不法に利用することを禁じたのです。

それからというもの、YouTubeは問題が生じたり、社会的な問題が発生する度に利用規約を更新することで、ユーザーにとって安全なプラットフォームを生み出そうとしてきました。

 

また、YouTubeにとって一番の収入源である広告に関する規定についても多くの改定を行っています。YouTubeの初めての広告は、2007年のInVideo広告だといわれていますが、当時は広告を掲載できるのは一部のユーザーに限られており、YouTubeからの依頼を受けた特定のユーザーのみが広告を掲載できるという仕様でした。

広告の仕組みが大きく変化したのは2011年4月のことです。YouTubeが一般ユーザーに対し、パートナープログラムの提供を開始しました。これにより、一般市民がYouTubeを活用して収益を得ることができるようになったのです。

 

そして、2013~2014年頃、YouTubeを舞台に活躍する「YouTuber」という新しい名称が広まります。日本語版YouTubeの利用が開始されたのは2007年6月ですが、アメリカの勢いに追随する形で、日本でも徐々にYouTubeの人気が上昇し、今では子どもの憧れの職業の1つとして、「YouTuber」が挙がるほどです。

 

 

YouTubeの利用に関わる規約の変更

上記でも紹介したように、YouTubeは時代の変化や問題に応じて、常に対策を行ってきました。これは過去だけでなく、もちろん未来にも起こることです。YouTubeの規約変更によっては、動画マーケティングや広告利用の方法を大きく変える必要に迫られることもありますので、YouTubeを利用する個人および企業は、YouTubeの規約変更に常に敏感になっておく必要があります。

ここからは、動画マーケティングに大きな影響を及ぼすであろうと考えられるYouTubeの利用規約とYouTubeパートナープログラムの利用規約に関する最近の動向について紹介します。

 

YouTubeの利用規約について

YouTubeはこれまで、何度も利用規約の変更を行ってきましたが、現在のYouTubeの実情を理解するためには、最新盤となる2019年12月10日発効の利用規約が、以前の利用規約(2018年5月25日)からどのように変わったのかを抑えておくことが重要です。

 

まず、大きく変わったのは利用規約の文体です。以前の利用規約では、規約という名称からも想像できるように、非常に難解な表現で記載されていました。そのため、多くのユーザーが素通りしてしまうような規約になっていたのです。しかし、最新版では非常にわかりやすい表現、また構成で書かれていることにより、多くのYouTubeユーザーが目を通したのではないかと想像できます。これは同時に、YouTubeが利用者に対して、規約を必ず守るように強く訴えているという見方もできます。

 

最新の規約での大きな変更点は、「アカウントの停止と解除」に関する事項です。YouTubeは、最新版の利用規約で、以下の内容を追記しました。

 

– – – – -以下引用- – – – –

 

アカウントの停止と解除

正当な理由に基づく YouTube による解除および停止

(a)お客様による本契約への違反が深刻である、または繰り返される場合、(b)法的義務または裁判所の命令に従うために必要である場合、(c)他のユーザー、第三者、YouTube、YouTube の関係会社のいずれかに不利益または損害を与える(またはその可能性がある)行為が行われていると YouTube が判断する場合、YouTube はお客様もしくはお客様の Google アカウントによる本サービスの全部もしくは一部へのアクセス、および、お客様の Google アカウントを停止または解除できるものとします。

 

– – – – -ここまで- – – – –

 

つまり、YouTubeの利用規約に応じていないユーザーは、YouTube側の判断により、アカウントが停止されます。違法ユーザーはもちろん、低品質の動画アップロードやグレーゾーンの動画、また、スパムを疑われる書き込みなどを行っている場合、アカウント自体を抹消される可能性があるのです。

現在も、YouTube動画による訴訟問題が多く発生していることからも、今後、YouTubeにより、利用者の淘汰が行われることは十分にあり得るでしょう。

 

 

YouTubeがもう一つ大きく変更していきたいと考えているのは、子ども向けの動画です。旧バージョンでは、13歳未満の子どものYouTube利用は推奨しない立場を取っていたのですが、子どもユーザーは増え続けており、子どもであっても、YouTube Kidsの内容であれば利用が可能という方向性に変更されました。

 

– – – – -以下引用- – – – –

 

本サービスの利用者

年齢に関する要件

 

旧バージョン

本サービスは13歳未満の子供による利用を意図していません。あなたが13歳未満の場合、YouTubeウェブサイトを利用しないで下さい

 

新バージョン

本サービスを利用するには、13 歳以上である必要があります。ただし、親または保護者によって有効にされていれば、あらゆる年齢のお子様にYouTube Kids をご利用いただけます(利用可能な地域の場合)。

 

– – – – -ここまで- – – – –

 

子どもへのYouTube利用が正式に承認されたことにより、今後は、悪質な動画やプライバシー保護の観点から問題となる動画、人々に悪影響を与えうる動画に対しては大きな規制が行われると考えてよいでしょう。

 

上記からもわかるように、YouTubeは今後、透明化、精選化を軸に動いていくと考えられています。

 

 

パートナープログラム利用規約について

パートナープログラムは、YouTuberにとって非常に大きな要因ですが、YouTubeにとっても企業の収益と直結する非常に重要な部分です。そのため、パートナープログラムがなくなるということは現状では考えられませんが、現在YouTubeは、広告掲載チャンネルの精選化を図っています。

 

例えば、2018年2月20日より、YouTubeのパートナープログラムの規約が大きく変更されました。これまでは、誰でも(審査あり)が自分のチャンネルに広告を掲載し、収益をあげることができましたが、この規約変更により、以下の2つの条件を満たすことが必要になりました。

 

1.チャンネル登録者が 1,000 名以上

 

2.12 か月間の総再生時間が 4,000 時間以上

 

パートナープログラムの規約が今後ますます厳しくなる可能性は大いにあります。なぜなら、広告の依頼主は、あくまでも仕事受注に繋げたいからこそ広告の掲載を依頼しているのです。そんな中、価値がないと考えられたチャンネルの広告掲載が停止されていくのは、自然の成り行きといえるでしょう。

 

2019年1月には、悪質ないたずらや直接的なアルコール販売の動画の広告掲載を禁止しました。YouTubeの人気チャンネルの中には、嫌がらせや悪ふざけによって人気を獲得しようとするチャンネルがあったのも事実です。自社の広告がこのような動画とともに流されることで、悪影響があるのではという広告掲載主からの問い合わせもあり、YouTubeはこれらの行為を厳しく禁止し、広告掲載を不可としたのです。

 

また、2019年 6 月には、YouTubeの「広告掲載に適したコンテンツのガイドライン」が更新され、炎上目的、他社を侮辱するコンテンツには広告が掲載されなくなりました。例えば、「プレゼント」などで視聴者を釣って動画の視聴回数を増やしたり、チャンネル登録者数の増加を狙ったりすることが新しい規約で明確に「禁止」されたのです。

 

そして2020年1月には、子ども向け動画への広告の一部が制限されます。現在YouTubeでは子ども向けのチャンネルがものすごい人気を獲得しており、子どもたちをターゲットにした、子どもYouTuberのチャンネルも増えてきていますが、児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)の観点を踏まえ、子ども向けの動画および子どもが出演する動画に対して一部規制を加えた形です。また、将来的に子どもの利用が増えることも踏まえ、今後、ギャンブル動画やゲーム動画などに対しても規制を強くしていく予定とのことです。

 

 

終わりに

YouTubeは、企業PRの場として非常に重要なプラットフォームですが、このようなプラットフォームは時代とともに変化していきます。プラットフォームを最大限活用するためには、プラットフォームや時代の動きを知り、適切な方法にてPRを行っていくことが重要です。

弊社には、海外マーケティングを成功させてきた数々の実績がございますので、海外をターゲットにしたマーケティングに興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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