COLUMN海外メディア戦略コラム
世界のSNS事情2024編
SNSマーケティングは、企業のブランディングや商品のプロモーションなどに非常に効果的です。SNSをうまく活用し大幅に売上を伸ばした企業も多くあります。海外においてもSNSの影響力は大きく、海外マーケティングを成功に導くための重要なツールです。しかしながら、海外と日本ではSNSの流行が異なるのも事実。例えば、日本人に人気のSNSはX(旧Twitter)ですが、海外ではXよりもFacebookが利用されています。日本と同じ方法では、海外マーケティングでは成功できません。
そこで本記事では、2024年における世界の気になるSNS事情をまとめました。2024年に流行るかもしれないSNS情報も紹介していきます。世界のSNS事情や海外マーケティングに興味のある方はぜひお読みくださいね。
世界のSNS事情
世界のSNS事情について、まずはデータを中心に見ていきましょう。以下は世界のSNS状況を毎年公開しているWe Are Socialの「Degital 2024」「Degital 2024 Japan」を利用しています。
世界の人口とSNSの利用率
2024年の世界の人口は約80億8,000人で、その62.3%にあたる50億4,000人が何らかのSNSを利用していると報告されています。ちなみに日本の人口は1億2,300万人で、78.1%にあたる9,600万人が何らかのSNSを利用しているそうです。
世界と日本で利用されているSNSは?
世界と日本で利用されているSNSランキングは下の表の通りです。世界と日本では、利用されているSNSに大きな違いがあります。もし海外向けに発信したいのであれば、日本で人気のSNSではなく、世界もしくは対象国にて人気のSNSをうまく活用する必要があるといえます。
また、面白いデータとして、好きなSNSに関する調査(下図)では、上記で紹介した利用されているSNSとは異なる結果が出ています。世界で最も利用されているFacebookは、好きなSNSでは3位に順位を落としています。このデータから、利用者はSNSを目的に合わせて使い分けていることがわかります。例えば「Facebookは娯楽ではなく情報収集のために利用している」「Instagramは余暇の楽しみや新しい関心を見つけるために利用している」など。これらの状況を分析することで、自社製品やサービスにふさわしいSNSも見えてくるかもしれません。
世界で人気の主要SNSとその特徴
世界で人気のSNSについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
世界で最も利用者数が多いSNSが「Facebook」です。個人からビジネス向けまで、様々な機能が揃っているため、余暇利用からビジネス情報発信まで幅広く用いられています。海外では地域における最新の情報を得るための手段として利用されることも。
Facebook Messenger機能を用いて顧客や企業と即座に連絡が取れるため、カスタマーサポートを充実させたい企業にもおすすめです。ただし、Facebookを効果的に用いるには、ターゲットとする顧客や国に合わせたローカライゼーションや最新の機能を使いこなすスキルやノウハウも求められます。
写真や動画をシェアできるSNSが「Instagram」で、人気のSNSランキングで第一位を獲得しています。Instagramでバズれば、商品やサービスの売上が急激に増加することも。
最近ではインバウンド人気と相まって、日本の観光地や商品などがInstagram上で話題になることも多々あります。画像や動画と相性のよいサービスや商品を扱っている方は、世界向けの発信にトライしてみるのもよいでしょう。
日本では利用者が少ないものの、世界では利用者数で第3位に入っているのが「WhatsApp」です。WhatsAppはもともとチャットアプリでしたが、その後様々な機能が追加され、SNSの1つとして認識されるようになりました。日本でいうLINEをイメージするとよいでしょう。
WhatsAppが特に人気のエリアはヨーロッパで、プライベートなトークからビジネス利用まで幅広く利用されています。また北米や南米、アジア、中東などでも頻繁に利用されています。日本ではLINEが当たり前のように使われていますが、海外マーケティングを成功させるにはLINE以上にWhatsAPPの活用に力を入れる必要があるでしょう。
WeChatは主に中国で利用されている総ユーザー11億人を超えるSNSアプリです。
日本でいうLINE、X、Facebook、Googleを合わせたようなアプリと言われおり、メッセージのやり取りはもちろんオンラインショッピングやオンライン診察など生活のほとんどがこのアプリ一つで完結してしまうほど幅広い機能を有しています。
中国国内では普段の生活になくてはならないツールになっており、中国マーケティングにおいて無限の活用ができるといえます。
中国マーケティングを成功させるためには力を入れる必要があるでしょう。
TikTok
TikTokは世界中で利用されているSNSアプリで総ユーザーは16億人を超えています。
主に若年層に人気のアプリで、13~24歳が50%を占めています。
ショート動画を投稿するプラットフォームで、動画も簡単に作成でき、投稿ハードルが低いことも特徴です。
Eコマースにおいても非常に効果的なプラットフォームで、「TikTok Shop」と呼ばれるプラットフォームでは、2023年に38億ドル以上の販売を行っています。
「TikTok Shop」はまだ日本では実装されていませんが、アメリカや中国、東南アジア圏内で実装されており、日本で実装される未来も近いかもしれません。
Douyin
Douyinとは中国版TikTokと言われており、中国国内でのみ利用可能な約8億人のアクティブユーザーを超えるショート動画SNSです。
ショート動画の投稿やライブ配信機能はTikTokと同じですが、チャット機能やEC、ライブコマース機能がDoyinには備わっています。
例えば、アプリ内のECページから出品と購入、決済まで完結できたり、ライブ配信でオンライン決済を行い、配信者とマイクをつなげ、質疑応答など無形商材の販売なども行うことができ、中国国内ではプロモーション手段の有効や方法として利用されています。
X(旧Twitter)
X(旧Twitter)は2006年に公開され現在は3億人のユーザーが利用している匿名登録制SNSです。大きな特徴として投稿に140字の制限があることです。また、リツイート機能によりほかのユーザーの情報を簡単に引用し拡散できることから情報の拡散性が非常に高いことで知られています。
2023年にイーロン・マスク氏による買収でTwitterからXへ名称が変更されたことでも話題になりました。
海外特化のSNS
日本ではあまり馴染みのない世界のSNSを紹介します。
Weiboは中国版のX(旧Twitter)と言われており、特徴はXと同じで投稿は140字以内とされていました。現在は撤廃されていますが中国国内では圧倒的なアクティブ率を誇っており、ユーザーは世界で7億人にも上がります。
さらにWibo内ではユーザー属性でターゲットを絞った高精度な広告配信を行うこともでき、中国マーケティングの中心アプリとなっています。
Zalo
日本では聞き馴染みのないSNSですが、「Zalo」はベトナム内で圧倒的シェアを誇るコミュニケーションアプリで、世界で1億人のユーザーがいます。
主な機能は日本のLINEと同じですが、LINEとFacebookとPayPayが合わさったような機能を有しており、オンラインショッピングもアプリ内で完結できます。
ベトナム国内では圧倒的なシェアを誇るためベトナムでの事業を行う場合にはZaloは必須といえるでしょう。
【2024年編】世界で注目のSNSとその特徴
2024年に世界で注目されそうなSNSを紹介します。
Threads
「Threads」は、FacebookやInstagramを運営するMeta社が開発したSNSで、2023年7月6日にサービスが開始されました。機能は日本で人気のXと非常によく似ており、文章や画像、動画などを自由に投稿できます。サービス開始からわずか5日間で利用者が1億人を突破したと報じられるなど、Xの競合として注目を集めました。
Threadsの投稿文字数は500字まで(Xは140字まで)、Threadsはプライバシーに重点を置いている(Xは不特定多数にアプローチできる拡散性が強み)など、いくつかの点においてXとは違いがあります。
2023年のサービス開始直後には大きな注目を集めたThreadsですが、その後は利用者数減が続くなど、思うようにシェアを拡大できていないようです。2024年の動向に注目が集まります。
Discord
「Discord」は、2015年にアメリカで誕生したコミュニケーションツールです。同じ関心を持つ人たちがチャットグループに参加することで、テキストや画像、動画などを用いてコミュニケーションを図れます。元々はゲームをしながらスムーズにコミュニケーションを図れるツールとして開発されましたが、優れた機能面が評価され、昨今ではゲーム以外のジャンルやビジネス用途でも使われるようになりました。
日本ではゲーム好きや若者によく利用されています。また、グループでのビジネス起業やオンラインコミュニティなどでも見かけるようになりました。日本に関するトピックでグループを立ち上げれば、外国人による活発な意見交換が期待できるかもしれません。Discordで親交を深めることで、ビジネスチャンスが広がることもあるでしょう。
Blue sky
「Blue sky」は、テキスト投稿型のSNSで、Twitter(Xの前身)の共同創業者であるジャック・ドーシー氏が発案した分散型ソーシャルメディアプロジェクトです。2022年にTwitterから独立し、iPhone向けアプリが2023年2月に、Android向けアプリが同年4月にリリースされました。利用者数はまだまだ少ないものの、Xとは異なる魅力を持つSNSとして注目を集めています。
Xとの大きな違いは、分散型SNSであること。分散型とは、特定(1つ)のサーバーだけで運営されるのではなく、ユーザーごとに異なるサーバーが利用されることを意味します。これにより、自身の投稿を自分で管理できたり、運営からの影響を受けにくくなったりします(Xは中央集権型のため、個人の投稿であってもXが所有することになります)。
使い方はXに非常によく似ていますが、Xからの大規模な流入はまだ見られないようです。2024年にはXとのすみ分けがどのように進んでいくのかに注目が集まります。
おわりに
本記事では、2024年における世界のSNS事情と注目のSNSについて紹介しました。SNSは機能が頻繁に更新されるのに加え、世界中で新しいトレンドが次々に生まれています。SNSを効果的に利用したければ、SNSの最新事情やターゲット国の実態などをしっかりと理解するようにしましょう。
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