COLUMN海外メディア戦略コラム
【英語圏の文化を学ぶ】ボクシングデーって何?
海外マーケティングで成功を収めるためには、海外のイベントや休日についても正しく理解する必要があります。例えば、11月11日は「1」が並ぶことから中国では「独身の日」と呼ばれ、多くの人々がオンラインショッピングを楽しむ習慣があります。2021年の独身の日には、アリババの流通総額が1日で9兆6,000億円に達するなど、ECに携わる人にとっては外せない日となりつつあります。
2021年も残すところわずかとなり、各社がこぞってクリスマスや年末年始商戦に向けて動き始めています。しかしながら世界では、クリスマスと年末年始の間に、もう1つ休日があるのをご存じですか?それが「ボクシングデー」と呼ばれる休日です。ボクシングデーについて知識があれば、他の会社とは異なるプロモーションが展開できるかもしれません。本記事では、毎年12月26日に予定されているボクシングデーについて詳しく紹介します。
ボクシングデーとは何?
ボクシングデーとは、毎年12月26日に予定されているイベントで、イギリスやオーストラリア、ニュージーランド、カナダなどでは祝日扱いになっています。前日にクリスマスがあることから、クリスマスと関連の高いイベントであることは何となく予想できるでしょう。
イエスキリストの誕生日とされるクリスマスでは、多くの人々がおいしい料理を食べ、子どもたちはプレゼントをもらいます。しかしながら貧しい人たちはクリスマスを楽しむ金銭的な余裕はありません。
そこで協会は寄付を募り、恵まれない子どもたちのためにプレゼントを購入。クリスマスの翌日である26日に小さな箱(ボックス)を渡し、子どもたちはクリスマスボックスを開けるのです。もうわかりましたよね?ボクシングデーとは、貧しい子どもたちが1日遅れでクリスマスプレゼントの入った箱を受け取り、喜びと共に開けることから作られた祝日です。(ボクシングデーの由来については諸説あります)
イギリスを初めとしたいくつかの国では、クリスマスは店を閉め、ボクシングデーを冬のバーゲンセールのスタート日にします。年末商戦の開始日となることから、ものすごい盛り上がりを見せることもあるようです。
ボクシングデーの最近の状況
その年の最後のセール期間ともなるボクシングデーですが、最近ではブラックフライデーに押されぎみの国が増えてきているようです。
ブラックフライデーとは11月第4週の木曜日に予定されているアメリカの祝日「感謝祭」の翌日の金曜日のことで、アメリカ最大規模のセールが実施されることで有名です。感謝祭、ブラックフライデー、土日の計4日間はオフライン、オンライン共にものすごいセール企画が目白押しになることから、アメリカだけでなく、世界各国において活発な売買がなされます。2020年のブラックフライデーでは、1日のオンライン支出が過去最高の90億ドルを突破したとも言われています。
元々はアメリカを中心に実施されていたブラックフライデーですが、世界で大きな流通を持つアマゾンがブラックフライデーに力を入れていることなどから、ブラックフライデーが世界の特売日になりつつあります。そのため、ボクシングデーの売上は少し下降気味というのが現状のようです。しかしながら、ボクシングデーに重点を置いている客層も多くいるため、キャンペーン等をうまく実施することで、海外の顧客を獲得することもできるでしょう。
ボクシングデーを活用した海外マーケティング
日本ではボクシングデーを理解している企業がまだまだ少ないことから、ボクシングデーの特徴をしっかりと理解し、適切なプロモーション等を実施することで他の企業との差別化が図れるでしょう。
ボクシングデーは年末最後の激安セール
イギリスやカナダ、オーストラリアなどのボクシングデーがある国では、クリスマス翌日のボクシングデーからは最後のセール品購入チャンスです。ここで注意しなければならないのは、人々はセール品の購入を狙っているということです。
クリスマスに合わせて高額のプレゼントを購入する人々も多いため、ボクシングデーでは正規価格での商品はそこまで需要がありません。むしろ、どれだけお買い得か、という点が重要になります。
そのため、新商品の発売をボクシングデーに合わせるのではなく、これまでの在庫などを激安価格で売りに出すことに重点を置いたほうが成功しやすいでしょう。
ボクシングデーの意味を意識している人は少ない
ボクシングデーの由来は先ほど紹介した通りですが、ボクシングデーの本来の意味を考えながら購入に当たる人はほとんどいません。多くの人が考えているのは、その年に買い残してしまった商品をいかに安く購入できるかです。
そのため、キャンペーンにボクシングデーの価値を掛け合わせても、そこまで効果がないと考えられます。しかしながら、心に届くようなキャッチコピーや動画などを準備できた場合は、ボクシングデーを取り入れている国の人々の心をつかめるかもしれません。
クリスマス商戦と関連付けたキャンペーンを意識
多くの人々はクリスマス商戦とボクシングデーを関連させて購入予定を立てていきます。例えば、購入したいものが2つあった場合には、1つはクリスマスに合わせて高価な物を買い、ボクシングデーで格安のものを購入するなどと考えます。そのため、ボクシングデーの商品リストや割引率などは、早め早めに告知しておくことをおすすめします。そうすることで、クリスマス向けの商品を探している顧客にもアプローチできます。
おわりに
本記事では、世界のいくつかの国で導入されているボクシングデーの紹介と、ボクシングデーを活用した海外マーケティングのポイントについて紹介しました。海外マーケティングを行う際には、ターゲット国の文化や歴史等をしっかりと理解しておくことが重要です。また、海外向けのプレスリリースにそれらの知識を組み込むことで、現地のメディアをより惹きつけることもできるでしょう。
弊社は、海外マーケティングや海外プレスリリースに関するさまざまな知見を有しています。もし海外進出に関してお困りでしたら、まずはお気軽にお問い合わせください。