COLUMN海外メディア戦略コラム
アフターコロナ時代のキャンペーン効果を最大化する「ソーシャルリスニング」とは?
さまざまな企業がコロナ禍において新たな取り組みを始めています。しかしながら、新しい取り組みがなかなかうまくいかず、困っている企業も多いのではないでしょうか?
そんな企業にぜひ試してもらいたいのが「ソーシャルリスニング」です。ソーシャルリスニングによって顧客の声を聴くことで、キャンペーンやPRの改善点やよりよい方法が見えてきます。
そこで本記事では、アフターコロナ時代にぜひ試してもらいたいソーシャルリスニングについて紹介します。
ソーシャルリスニングとは何?
そもそもソーシャルリスニングとは何?と思う人も多いでしょう。ソーシャルリスニングは、ソーシャルをリスニングする、つまり「社会の人々の声をしっかりと聴く」ことを意味する言葉です。
ソーシャルリスニングは最近マーケティング全般の中でよく聞かれるようになってきましたが、実は従来からよく行われていた方法です。
たとえば飲食店の場合、料理に対してお客様がどう思ったのかは、今後の料理の味付けを決める上で非常に重要な情報です。しかし、直接聞くのははばかられるため、卓上にアンケートなどを準備し、お客様の声を聴くようにしていました。これもいわゆるソーシャルリスニングです。
昨今では、人々の口コミは紙ベースのアンケート用紙ではなく、SNS上に集まるようになりつつあります。そのため、SNSやネット上の声をしっかりと聴き、必要な施策を講じることがソーシャルリスニングの主な方法になりつつあります。
キャンペーンやPRで大切なことは、初動で成功することではなく「最終的な成功」を収めることです。そのためには、キャンペーンを実施して終わりではなく、状況に応じて改善を図り、キャンペーンの質を高めていくことが重要です。ソーシャルリスニングでは、改善を図るために必要な顧客の声を収集することができます。
ソーシャルリスニングの効果
ソーシャルリスニングは「キャンペーンの効果を最大化する」というポジティブな面と、「企業のイメージ悪化を事前に抑制する」というネガティブな面の両方に対して大きな効果を発揮します。それぞれについて紹介します。
ソーシャルリスニングでキャンペーンの効果を最大化する
ソーシャルリスニングをすることによって、顧客が持っている企業のブランドイメージや求めていること、評価などを正しく把握できるようになります。たとえば、人々がある会社のことを「低価格で高品質の商品を作る企業」だと考えている場合、このイメージにマッチした商品開発を行うことで大きな成功につながる可能性が高くなります。
また、ソーシャルリスニングは自社の分析だけでなく、他社や類似商品の分析にも大きな効果を発揮します。たとえば、あるサービスを提供しようとしている場合、すでに発売されている類似のサービスに対する人々の声をソーシャルリスニングによって把握することで、人々の声を加味したサービスをいきなり世に出すことが可能になります。
もちろん、ソーシャルリスニングは、キャンペーンを開始した際の状況把握にも適しています。何らかのキャンペーンやPRを開始すれば、それに対する利用者の声がSNSやネット上に出回るようになります。
それらの声をしっかりと収集するとともに、必要な情報に対して適切なアプローチをすることで、キャンペーンやPRの効果を最大化することができます。
ソーシャルリスニングで企業のピンチを救う
企業がSNS上で何らかの悪い評価を受けている際に、ソーシャルリスニングによりその情報を早期に収集し、ピンチを回避することができます。
たとえば、商品の1つに不備があり、その商品を受け取った顧客が不快に感じ、SNS上にてその商品を批判したとします。企業の批判は比較的拡散されやすい情報の1つであるため、瞬く間に拡散されます。そして企業が気づいたときには、多くの顧客がその商品や企業から離れてしまっているということが起こりえます。
もしこのような事態に陥ってしまえば、せっかく企画したキャンペーンがすべて水の泡になります。そのため、ソーシャルリスニングによって商品や会社に対する人々の考えを常にチェックし、何かあったときにすぐに対応がとれるような体制作りをしておく必要があります。
ソーシャルリスニングによって窮地を切り抜けた代表的な企業の1つが「Nike」です。2019年2月19日、アメリカの人気バスケットボール選手であるザイオン・ウィリアムソン選手のナイキ社製のバッシュが壊れるという事件が起こりました。
この事件はSNSを通じて瞬く間に拡散され、ナイキ製品の品質問題にまで発展し、Nikeの株価急落を引き起こしました。
しかしNikeは、この事態をソーシャルリスニングによって早期に把握しており、次にどうするのかをすぐに検討し始めました。選手への謝罪やナイキファンへのコメントをすぐに実施するとともに、ザイオン・ウィリアムソン選手をCM起用し、今後はより深い関係を築いていきたい旨を伝えました。
これにより、Nikeに対する信頼は早期に回復し、一時急落した株価も元通りに。一時的な損害は免れませんでしたが、長期的なマイナスを抑え込むことに成功しました。
このように、ソーシャルリスニングは、企業の窮地を救うこともあります。もしまだソーシャルリスニングを開始していない場合は、すぐにでも体制作りを進めたほうがよいでしょう。
アフターコロナ時代にソーシャルリスニングが大切な理由
これまでもその重要性が謳われていたソーシャルリスニングですが、コロナ禍、もしくはアフターコロナ時代にはその重要性が増すだろうと考えられています。その理由として、コロナによって生活の状況や人々のニーズの変化がより加速していることが挙げられます。
少し前まで需要があった商品やサービスでも、数ヶ月経った際には人々の関心やニーズが別のものに移り変わっているということが十分あり得るからです。
そのため、アフターコロナ時代には、ソーシャルリスニングにより人々の今をしっかりと捉え、その上でキャンペーンやPRを行うことが重要になります。
ソーシャルリスニングの方法
では、ソーシャルリスニングはどのように行えばよいのでしょうか。最後に、ソーシャルリスニングを効果的に行うための方法について紹介します。
SNSやネットを自分で検索
最も簡単な方法は、手作業でSNSやネット内の企業や商品に対するコメントや評価を見つけ、必要に応じて検討することです。
非常にシンプルな方法ですが、効果は十分にあります。また、顧客と同じ視点に立つことができる方法でもあるため、まず始めに取り組んでみる方法としておすすめしています。小さい企業であれば、この方法だけでも十分な成果が得られることがほとんどです。
有料もしくは無料のソーシャルリスニングを利用
企業やサービスの規模が大きくなり、上記の方法だけでは人々の声を十分に集められない場合には、ソーシャルリスニング用に作られたツールやアプリを利用することをおすすめします。
ソーシャルリスニングのツールやアプリは制作会社によって大きく異なる仕様になっています。そのため今回は説明を省きますが、ツールやアプリを利用することで、以下の様なことができるようになります。
・複数のSNSを1つの画面で操作できる
・関連するキーワードに関する情報を自動で集められる
・集まった情報を量的に分析し、最新のキャンペーンの成果などを客観的に分析できる
・ソーシャルリスニングの成果を図表などにまとめることができる
・競合企業の動向を分析しやすくなる
もし上記の内容についても取り組みたい場合は、ソーシャルリスニングに特化したアプリやツールを使ってみてください。有料のものと無料のものがありますので、サービス内容をしっかりと確認した上で選択するとよいでしょう。
専門の企業とタイアップして進める
ソーシャルリスニングを正しく実施・分析し、それをマーケティングに活かしていくには、専門的な知識や豊富な経験が必要です。これがない場合、顧客の声に振り回されるだけになりかねません。そこでおすすめの方法が、ソーシャルリスニングに慣れている企業とタイアップすることです。
ソーシャルリスニングの実施、分析などをサービスの1つとして実施している企業であれば、正しい方法、正しい判断のもとでソーシャルリスニングを実施し、得られた結果を企業の業績アップのために活かすことができます。
もしソーシャルリスニングで企業の今を変えたいと思っておられましたら、ソーシャルリスニングにも強い弊社のような企業とタイアップすることをおすすめします。
終わりに
本記事では、アフターコロナ時代のキャンペーンの成果を最大化する「ソーシャルリスニング」について紹介しました。今後、人々の興味関心やニーズはものすごいスピードで変わっていくことが予想されます。そのため、ソーシャルリスニングで常に人々の声を聴き続けることが重要です。
もしソーシャルリスニングに興味がございましたら、キャンペーンやPRに特化した弊社までお気軽にお問い合わせください。