COLUMN海外メディア戦略コラム

マーケティング・ツールとしての映像コンテンツ

映像コンテンツが大きな注目を集め、視聴者の共鳴を集めやすいということは、統計学的に示されるまでもなく実感されているのではないでしょうか。コミュニケーション・ツールとしての映像コンテンツはエンゲージメントを向上させ、クリック率を高めるなど、さまざまなパラメーターを増幅させることに長けています。

映像コンテンツを利用することによって、利用しない場合よりもトラフィックが41%アップしたという報告もあるほど。さらに2019年には、グローバルなインターネット・トラフィックの80パーセントが映像コンテンツで占められるとも言われています。

さらに、映像コンテンツをフィーチャーするメジャーなプラットフォームによって裏付けられているのは、ビジネスにおいても映像コンテンツを無視することはもはや不可避に近いということ。ここでは、マーケティング・ツールとして映像コンテンツが果たす役割や可能性についてみていきましょう。

映像コンテンツをパワフルにしているものとは?

ソーシャル・メディアがわたしたちの生活に深く浸透している昨今、マーケターたちは人と人とのあいだで行われるコミュニケーションが持つ力強い役割に気付き始めています。心のこもったやりとりこそ、単なるコピーによる宣伝活動とは比べものにならないほど、セールス・サイクルに大きな影響を与えるのです。

特に映像コンテンツは、ビジネス的なインタラクションの場にハートのあるやりとりを持ち込むことのできる唯一のコミュニケーション・ツール。たくさんのノイズや無関心さのあふれるこの世の中において、しっかりとした語りによってデザインされ、意義のあるメッセージを伝える映像コンテンツは、常に耳目を集めるでしょう。適切な露出頻度、シンプルな表現、そしてよく練られた語りこそが成功の秘訣です。

映像コンテンツは一般的にウェブサイトや広告サイトのランディングページに埋め込まれ、プロダクトのプロモーション映像や解説動画、性能の高さを宣伝するツールとして利用されますが、それだけにとどまりません。

 

ライブ映像の魅力

アニメーションではない映像コンテンツは、より大きな効果を持つと言っていいでしょう。リアルな人間の表情を添えることは、アニメーションと比較してさらに意義のあるインパクトを提供できます。ライブ映像の視聴時間は事前に収録された映像の3倍以上というデータも。

ライブ映像ではごまかしがきかず、そのことが最大の魅力ともなっているのです。つまり、真性さや情熱、そしてビジョンが前面に出てくるということ。ライブ映像はFacebook LiveやYouTube Liveなどのメディアを通じてより良いものに変わっていますが、成功するためには定期的かつ継続的にに映像を製作し続けることが大切です。

 

VLOG(ブイログ)の可能性

VLOG(ブイログ=Video Blog、ビデオ・ブログ)は最近特に話題の映像コンテンツ。テキストによる伝統的なブログ型コンテンツに取って代わろうとしています。

VLOGは感覚に富んだリッチな体験を提供し、静的なテキストでは決してできなかった人間の感情へのより深いコミットメントを実現。さらに、パーソナライズされた映像コンテンツは、そうでないものと比べてリテンション・レート(継続率)が35パーセント高くなるという興味深いデータもあります。

VLOGはものの見方をシェアしたり、視聴者とリレーションを構築したり、あなたのビジネスに貢献してもらったりと、さまざまな目的にとってとても有効な手段のひとつ。VLOGの効果を増幅させるためには、ソーシャル・メディアが最強のベースとなります。

 

ソーシャル・メディアにおける映像コンテンツのROI

FacebookやYouTubeなどのソーシャル・メディア、Whatsappなどのメッセージング・プラットフォームはいまや幅広いユーザーへと開かれています。そんな状況のなか、ビジネスに関する内容をナレーションとBGMをつけたアニメーションというマルチメディア・フォーマットで提供することで、ソーシャル・メディアにおいて高次元のビューワー・エンゲージメントを獲得することができることが知られています。

これは伝統的な静的なコンテンツ形式と比較して、映像コンテンツがより長い時間注意を引きつけておくことができるという特質によるもの。映像コンテンツは手軽に視聴を楽しむことができ、感情に働きかけながら、マーケターのためにコンバージョンを素早く上昇させてくれるのです。

多くのひとがスマートフォンに依存するなかで十分ハイスピードなデータ通信ができるようになり、映像コンテンツの伝送はとても簡易化されています。動きのあるコミュニケーションは、ソーシャル・プラットフォーム上で素晴らしいROI(投資対効果)を叩き出すことに貢献していると言っていいでしょう。

 

メール・マーケティングをより面白く

映像コンテンツの影響力が際立つをもうひとつのチャンネルは、メール・マーケティングです。最近ではGmailやYahooなどのメジャーなメール・クライアントのサムネ機能において映像コンテンツを埋め込むことが可能になっています。

あるデータによると、メールに映像コンテンツを使うことでクリックスルー・レートが200〜300パーセント増加するとされているほど。また、メールの署名欄に映像コンテンツを利用することで、受動的にマーケティング・アドバンテージを獲得することにもつながります。余談ですが、今やメールに添付された重たいPDFよりも、映像コンテンツの方が早くダウンロードすることが可能というのは驚くべきことでしょう。

 

マーケティング・ツールを超えて

これまでご紹介してきたように、よく作られた一連の映像コンテンツは、まさに24時間365日、休みなく働いてくれるバーチャルな販売員に匹敵するほど。しかし、映像コンテンツは単なるマーケティング・ツールにとどまりません。

また、映像コンテンツの導入はトレーニング・コストを激減させることにもつながります。さまざまなトピックについて収録をしてトレーニング用のコンテンツを作りましょう。それを使って実践を重ねることで、優れた水準のサービスを安定的に提供できるようになりますし、社内のステークホルダーにおけるポジティブなブランド・イメージの確立という二次的なアドバンテージも享受できます。

 

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