COLUMN海外メディア戦略コラム
プレスリリース配信で成果を出すには:アメリカのeスポーツ主要媒体の選び方
eスポーツ案件の海外PRは、適切な媒体選定ができなければ成果が見込めません。
特にアメリカでは、配信プラットフォームの勢力図が大きく変わると同時に、ゲーマー層が急速に拡大し、メディアの役割も細かく分かれてきています。
今回の記事では、アメリカのeスポーツメディア全体を整理し、各媒体の特色や読者層に合わせた優先度の考え方と具体的な媒体名を紹介します。実際のプレスリリース配信で活用できるポイントも含めました。

目次
- 米国のeスポーツ報道の全体像と変化の潮流
- ゲーマー層の多様化と編集方針—配信トレンドと情報需要
- 優先メディアの選び方—読者・テーマ・配信方法の戦略設計
- 主要メディア一覧—米国市場で押さえておくべき媒体
- 実例紹介:PressReleaseJapanの配信事例
- 最新トレンドと今後の展望—2025年の配信環境とイベント動向
米国のeスポーツ報道の全体像と変化の潮流
アメリカのeスポーツ報道は、リーグや大会の速報と、視聴データやスポンサー動向の構造分析に分かれる傾向が強まっています。
配信市場では、これまで圧倒的だったTwitchのシェアが縮小し、YouTube Gamingが過去最高レベルまで成長するなど、主戦場がプラットフォーム横断へと広がっています(2025年Q2時点でTwitch約54%、YouTube Gamingは22〜24%程度まで拡大)。
配信で話題になった瞬間を、専門媒体が背景とともに深掘りして拡散するのが現在の基本的な流れとなりつつあります。速報では、Dot EsportsやDexertoといった「ゲーム・選手・配信者」に特化した媒体が強く、業界分析ではEsports InsiderやSBJ(Sports Business Journal)がスポンサーシップや市場動向をカバーしています。各媒体の役割分担がはっきりしており、ニュースの拡散とトレンド形成を担っています。
ゲーマー層の多様化と編集方針—配信トレンドと情報需要
米国では2億500万人が日常的にゲームをしており、平均年齢は36歳。Z世代やミレニアル世代だけでなく、30代以降の参加も増えています。
つまり、eスポーツ情報の読者は「若い男性」に限らず、経験や興味の深さが様々な「幅広いゲーマー層」になっています。媒体側もこの状況を踏まえ、初心者向けガイド、競技者向け詳細分析、ビジネス読者向けの収益・投資記事を同時に展開しています。
視聴動向では、2025年Q2にeスポーツ視聴時間が前年同期比6%増加した一方、開催トーナメント数は減少し、「選ばれる大会への集中」が進んでいます。Kickなどの新しいプラットフォームも無視できない存在となり、複数配信や共同視聴(コストリーム)の重要性が高まっています。
リリースには配信先や共同視聴の対応状況など「放送に関する情報」を明記すると効果的です。
優先メディアの選び方—読者・テーマ・配信方法の戦略設計
まず「誰に向けて」発信するかを決めましょう。
選手やゲームタイトルのニュースはDot Esports、配信者やインフルエンサー関連はDexertoが強い読者基盤を持っています。スポンサー契約や投資情報はEsports InsiderやSBJが適しています。
大会ガイドやアップデート解説ならEsports.ggやESTNN、東西の架け橋的な視点やロングインタビューはInven Globalの編集方針とマッチします。
続いて「何を」「どう届けるか」です。米国では配信を起点とした話題が多いため、配信URL、コストリーム対応、権利表記、切り抜きガイドラインをリリースに含めると転載されやすくなります。
公開タイミングは太平洋時間の午前中から正午が安定しており、主要大会の週は「試合のない日」を狙い、速報と重ならないように設定すると確実です(媒体のスケジュール確認と事前連絡が無難)。
主要メディア一覧—米国市場で押さえておくべき媒体
Dot Esports(https://dotesports.com/)
競技タイトルと選手・チーム移籍の速報で最も影響力がある専門媒体。読者は競技観戦者とコアゲーマーが中心で、移籍情報やメタ変化、大会結果の「今、重要な」切り口を求めています。
ロスター確定、大型アップデートの競技への影響、大会での記録更新などの「即効性のあるニュース」に最適なメディアといえるでしょう。
Dexerto(https://www.dexerto.com/)
eスポーツに加えて配信者・インフルエンサー文化もカバーする大型メディア。ゲーム以外のネット文化との接点も強く、若い読者の「話題にしたくなる」見出し作りに強みがあります。
公式コラボ、配信企画、タレント起用など「文化×ゲーム」の話題で力を発揮します。
Esports Insider(https://esportsinsider.com/)
業界のB2Bニュースに特化し、スポンサー契約、リーグ運営、市場分析で定評があります。意思決定者の読者が多く、「投資・収益・パートナーシップ」の観点が刺さります。
資金調達、パートナー契約、イベント主催発表などに向いているメディアといえます。
Sports Business Journal(SBJ)のEsports/Gaming(https://www.sportsbusinessjournal.com/)
米スポーツビジネス業界の中心的存在。TEO統合後はeスポーツのニュースレターや業界面が充実しています。読者はスポンサー・リーグ・会場運営などの実務担当者。
地域経済への波及効果や会場活用、スポーツ業界横断の事例紹介に適しています。
Esports.gg(https://esports.gg/)
大会ガイド、戦術解説、コミュニティ向けの読み物まで幅広くカバーし、検索からの流入が強いメディア。「どう見る・どう勝つ」をテーマにしたコンテンツで注目度が高いです。
観戦ガイド、アップデート要点、イベントの視聴ハブとしての活用に向いています。
Inven Global(https://www.invenglobal.com/)
韓国本社の知見を活かしながら、北米で英語圏向けの編集を行っています。eスポーツカルチャーの橋渡しやインタビュー、カンファレンス運営(IGEC)も特徴的です。
選手・開発者インタビューや東西比較の文脈づくりに最適です。
ESTNN(https://estnn.com/)
競技別のガイドや大会前後の実用的なコンテンツが充実。検索から「知りたい時に届く」強みがあり、タイアップの導線設計もしやすいです。
メタ・ビルド・大会形式の解説と絡めたリリースに効果的です。
実例紹介:PressReleaseJapanの配信事例
LunaTone × T1:ビジネス人材育成カリキュラム発表(2025/06/16)
世界的eスポーツチームT1のアカデミー知見を活用し、日本での人材育成を目指す共同プログラムを発表。eスポーツ教育・キャリア形成の観点で報道価値が高い発表でしたhttps://pressreleasejapan.net/2025/06/16/lunatone-and-world-s-leading-esports-team-t1-to-launch-joint-business-curriculum-for-talent-development-in-japan/
TOKYO BEAST:初回トーナメント開催(2025/06/16)
観戦と予想参加を組み合わせたゲーム体験の大会開始。配信導線やユーザー生成コンテンツの仕組みを含む「参加型」の見せ方がポイント
PANDOLAND:モバイルRPGのグローバル展開発表(2025/04/21)
ゲーム本体の魅力に加え、公式PVやサイトなどの素材を配信。英語圏メディア向けには「IP×協業」ので取り上げられやすい構成といえるでしょう。
最新トレンドと今後の展望—2025年の配信環境とイベント動向
2025年は、YouTube Gamingが四半期ベースで過去最高の視聴時間を記録し、ライブ配信全体も2021年以来の高水準まで回復しました。プラットフォームの多角化は元に戻らない流れで、リリース時にはYouTubeの同時配信・アーカイブ価値を考慮した「長期的な設計」が有効です。
イベント面では、BLAST.tv Austin Major 2025がCS史上最多の視聴時間を記録し、米国開催の求心力を改めて証明しました。Fortnite FNCS Pro-Am(LA)も60万を超えるピーク視聴者を集め、「競技×クリエイター」の動員力を示しています。
特に米国向けPRでは、現地会場・経済波及効果・配信同時接続数の3点を「具体的な数字で」提示すると編集判断のスピードが早くなるでしょう。
まとめ
アメリカ市場のeスポーツ報道は、配信プラットフォームの勢力変化と連動して再編が進み、媒体ごとの役割分担が明確になっています。速報・競技系はDot Esports、カルチャー横断はDexerto、B2BはEsports InsiderやSBJ、観戦・攻略はEsports.ggやESTNN、文脈づくりとインタビューはInven Globalが中心的な存在です。
ゲーマー層は幅広く、平均年齢36歳という裾野を踏まえて「誰に何をどう届けるか」を3つの層で設計することが重要となります。リリースには配信URLやコストリーム対応、権利表記を含め、太平洋時間の午前帯配信と大会スケジュール回避で露出機会を最大化しましょう。
大型イベントの米国開催も追い風となっており、会場・経済効果・視聴数字を裏付けとして提示すれば編集判断がスムーズになります。この記事の優先メディアと考え方をベースに、案件ごとに読者像とアングルを調整すれば、継続的な掲載・波及効果が期待できるでしょう。
弊社は、世界各国に向けての効果的なPR施策を提供しております。また前述したメディアにメディアピッチするなどのマーケティングプランも用意しております。もし海外に向けたマーケティングをお考えでしたら、弊社までお気軽にお問い合わせください。