COLUMN海外メディア戦略コラム
現地におけるコロナ禍の日本の報道の傾向(オーストラリア編)
コロナによる影響を受け、海外プレスリリースを自粛している企業も多いと思います。弊社では過去に、アメリカやイギリスにおける日本の報道を調査し、コロナと関連付けたユニークな報道であれば、むしろ海外メディアに取り上げられることが多いことを報告してきました。では、アジアの1つとして日本とも強いつながりがあるオーストラリアではどうでしょうか?
本記事では、オーストラリアのメディアで報道された日本の報道について紹介し、オーストラリアへのプレスリリースの可能性を探ります。
コロナ禍におけるオーストラリア国内での日本に関する報道
オーストラリアのニュースメディアの中でも、層読者数No.1ともいわれるシドニー・モーニング・ヘラルド(Sydney Morning Herald)が報じた日本のニュース(2020年12月~2021年2月)について紹介します。
福島県で強い地震が発生!動画付きの記事も公開!
画像引用元:SMH
2021年2月14~15日には、2月13日に福島県沖で発生した地震について紹介した記事が複数公開されました。中には動画を用いて日本の様子を紹介している記事もあります。東日本大震災の際に日本が受けた被害は世界でも大きく報道されていたことに加え、原子力発電所がある福島県が再度地震に見舞われたということで、オーストラリア国民の関心も高かったようです。
日本の株価が30年来の高値を更新
画像引用元:SMH
2月18日には、日本の株価が30年前の高値を更新したという内容がオピニオン記事として公開されました。日本が30年間にわたり経済の冬(厳しい期間)を過ごしてきたこと、また、1989年に記録した最高点と比べると23%低いことなどを紹介しつつ、日本経済のこれまでについて語られています。
オーストラリアが日本の経済をどのように見ているのかがわかる非常に興味深い記事ですので、気になる人はぜひ確認してみてください(引用元はこちら)。
オーストラリアでの報道は菅首相ではなく森元組織委員会長一色!?
画像引用元:SMH
2021年の2月に日本関連で最も多くの記事が公開されたのは、森元オリパラ組織委員会長の女性軽視発言問題でした。オーストラリアでは男女平等に対する関心が高くなっており、オリンピック・パラリンピック直前に発生した組織委員会長の問題発言には、多くの人々が関心の目を向けるとともに、疑問に感じたようです。
2021年になりオーストラリアでも東京オリンピック・パラリンピックが開催されるのか、それとも延期されるのかというニュースが度々報道されていただけに、開催国がこのような問題でもめていることはオーストラリアの人々にとっても残念だったようです。
大坂選手の東京オリンピックへの考えがピックアップ
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2021年の全豪オープンで見事に優勝した大坂なおみ選手が東京オリンピックについてどのように考えているかがオーストラリアで報道されました。
大坂なおみ選手は東京オリンピックのために入国後に2週間の隔離を行うことに対し肯定的な考えを表明していますが、同胞たちはこの隔離の安全性について疑問に思っていると発言したと報じています。また、現在日本で問題となっているのはスポーツ選手をどうするかではなく、日本全体の感染をどのように防ぐかということだと・・・
このような状態であるにも関わらず、本当にオリンピックが開催できるのかどうかについて、オーストラリア国民も疑問を感じているようです。また、オーストラリア全体として選手を日本に派遣するかどうかについてもさまざまな意見があるようです。どうなるオリンピック!?
ワクチンを接種したくない日本国民に対し冷ややかな目線も
画像引用元:SMH
最後紹介するのは2020年12月に報道されたコロナワクチンに関する記事です。医学雑誌「ランセット」が行った調査において日本人のコロナワクチンへの信頼度が世界で最も低いことを引用し、日本はコロナからの復帰が遅い国になるだろうと報道されました。
具体的には、日本でワクチンが重要で効果的だと答えた人はわずか30%であったこと、NHKの調査にて36%がコロナワクチンを接種したくないと回答したことなどが紹介されています。
これだけであれば日本の問題として片付ければよいのですが、日本がワクチンの接種を拒んでいるという事実は、世界がコロナを根絶しようとしている流れに逆行するものだとも報告されています。確かに、日本人がコロナワクチンを接種せず、日本にコロナ感染者が多く存在し続けた場合、世界にも影響を与えかねません。
日本では日本人がコロナワクチンに慎重なことは頻繁に報道されますが、この事実が世界からどのように見られているのか、という観点からの報道はあまりみかけません。世界に目を向けてみることの重要性を教えてくれる記事ともいえます。
終わりに
オーストラリアでは、日本のコロナ事情や直前に迫ったオリンピック関連の記事が多く報道されています。しかしながら、日本の企業やイベントの情報などについてはほとんど見かけないというのが現在の状況です。そのため、オーストラリア向けのプレスリリースを行う際には、コロナやオリンピックと関連づけて情報をアピールすることが効果的といえます。
現在、世界中がオリンピックやコロナ関連の情報に注目しています。もしこの波にうまく乗ることができれば、企業の情報を世界に効果的にアピールすることができます。もし海外マーケティングや海外PRに興味がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。