COLUMN海外メディア戦略コラム

コロナ禍における日本の報道の傾向(アメリカ編)

アメリカ大統領選や新型コロナウイルスの拡大で混乱続きのアメリカですが、そんな中でも日本のニュースが大きく取り上げられているのをご存じですか?

アメリカではアメリカ国内のニュースに高い関心が集まる一方、厳選して報道される日本のニュースにも高い関心が集まっています。つまり、コロナ禍であっても、PRの方法や内容を工夫すれば、アメリカで大きな注目を得ることも可能なのです。

本記事では、コロナ禍・大統領選真っ只中にも関わらず、アメリカで大きく報道された日本のニュース3選を紹介します。

日本のパンデミックは、コロナではなく「鬼滅の刃」?

画像引用元:NewYork Times

コロナの拡大が進むアメリカにあって、日本で大ブームとなっている鬼滅の刃とパンデミックという用語を掛けた記事が、NewYork Timesにて紹介されました。

記事内では、アメリカでは映画館が空っぽの状態で運営されているのに対し、日本の映画館は超満員になっていることを比較するとともに、日本が症例数と死亡数を低く抑えていることを紹介しています。現在のアメリカでは、長時間、見知らぬ人とともに密室で過ごすことになる映画館は、敬遠されているようです。

日本における鬼滅の刃ブームは、作品自体の魅力はもちろんのこと、日本政府が行ってきたコロナ対策の成果の1つとしても紹介されているのが面白いところ。通常であれば、日本の感染状況などはアメリカ人に耳に入ることは少ないのですが、アメリカ人が危険と考える映画館に、これだけの人々が通うことができるという日本の事実は、アメリカ人に大きな衝撃を与えたのです。

鬼滅の刃に関する情報と日本におけるコロナの状況をうまく関連させ、アメリカ人に大きなインパクトを与えた報道の仕方は、海外PRを考えている会社にも学ぶところが多いでしょう。

 

ソニーのPS5が日本で売り切れ!購入困難に

画像引用元:ABS-CBN

2020年11月、大統領選挙の開票真っ只中にもかかわらず、日本に関するあるニュースがアメリカ国内で話題となりました。2020年11月12日に発売開始されたプレイステーション5(以下PS5)についてです。

ソニー・インタラクティブエンタテインメントが販売するPS5は、日本やアメリカを含む世界7カ国で先行販売されました。しかし、ソニー・インタラクティブエンタテインメントの生みの親でもある日本において、希望者の大半が購入できないという事実を、アメリカのメディアがこぞって報道しました。

また、ソニー・インタラクティブエンタテインメントの発売イベントは実施しないという声明や、オンラインのみでの販売という点を、コロナによる感染を防ぐための策として、多くのメディアが取り上げました。

やはり今のご時世では、アメリカメディアは「商品×コロナ」に関連した情報を積極的に取り上げる傾向にあるようです。

 

よみうりランドの観覧車がワーキングスペースに

画像引用元:CNN

上記の2つの話題は、日本のメディアでも大きく取り上げられましたが、今から紹介する話題は、もしかしたら知らない人も多いのではないでしょうか。

日本のテーマパーク「よみうりランド」が提供した新しいサービスの形が、アメリカ人の大きな注目を集めました。よみうりランドは、コロナ禍に園内で仕事をできる新しいサービス「アミューズメントワーケーション」の提供を開始したのです。

これは、最近世界中で注目を集めているワーケーション(ワーク×バケーション)とテーマパークを融合させるというユニークなアイデアで、ビジネスマン向けにテーマパークを開放。コンセントとWi-Fiを設置することでプールサイドでパソコン作業ができるようにするとともに、セットに含まれている観覧車1時間券では、上空からの作業やミーティングが可能となっています。

アメリカでは最近、新しい働き方の1つであるワーケーションが話題となっていることもあり、ワーケーション×コロナを見事に融合させた「アミューズメントワーケーション」に大きな注目が集まったわけです。

アメリカがコロナで大変な状況であるからこそ、コロナとトレンドを融合させた魅力的な話題に対して、アメリカの人々やメディアは大きな注目をします。コロナ禍における海外PRを成功させるためには、単に実施するのではなく、現地の状況やトレンド、人々の関心事などをうまく活用することが重要となります。

 

まとめ

本記事では、最近アメリカで報道された日本の注目ニュースについて紹介しました。大きな話題であっても、その記事の一部にコロナの情報が加えられて報道されることが多いようです。また、日本ではあまり報道されていないような内容でも、アメリカ国民やメディアの興味関心にひっかかるものについては、大々的に報道されていることもわかりました。

多くの企業がコロナ禍における海外PRを自粛していますが、コロナだからこそできるPR方法もあります。報道の仕方を工夫したり、現地のトレンドと関連させたりすることで、通常以上に大きく報道されることもあるのが現在の状況です。

弊社には、現地のトレンド、関心を加味した上で海外PRを実施しています。もし、コロナ禍における効果的な海外PRに興味がございましたら、ぜひ弊社までお気軽にお問い合わせください。

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