COLUMN海外メディア戦略コラム
シンガポール-主要メディアまとめ【ニュース編】2025年版

シンガポールは地政学的にも経済的にもアジアの情報発信拠点として注目されており、国内外からアクセスが集まるニュース・メディアの利用が活発です。本稿では、月間PV数(※Kartz調べ)に基づいた主要一般ニュース系Webメディアをランキング形式でご紹介します。さらに、各メディアの特徴やメディア環境の変化、新興メディア動向についても掘り下げます。
1.The Straits Times
画像引用元:The Straits Times
- 月間PV数:約9.07 M(※Kartz調べ)
- 概要:1859年創刊の老舗英字紙「The Straits Times」のデジタル版。政治・経済・社会・文化など幅広いニュースを網羅。
- 特徴:政府発表や記者取材に基づく独自報道が強み。分析記事やインフォグラフィックにも定評。購読モデルと広告モデルの複合収益構造。
- 読者層:ビジネスパーソン、政策関係者、駐在員、英語に慣れた市民層。
2. Channel NewsAsia(CNA)
画像引用元:Channel NewsAsia
- 月間PV数:約8.72M(※Kartz調べ)
- 概要:Mediacorpが運営する24時間ニュースチャンネルのオンライン版。国際・地域ニュース、ライブ報道、ビデオ記事などを提供。
- 特徴:テキスト+動画ニュースに対応。アジア視点の速報性に優れ、国内外記者による多言語配信が進む。SNSとの親和性も高く、特に中堅〜若年層を中心に支持。
- 読者層:政策関係者、ビジネス層、ニュース感度の高い若年層・海外在住者。
3. Mothership
画像引用元:Mothership
- 月間PV数:不明だが、Ahrefsでは検索流入269 K、Reuters報告では国内オンラインで最も使用されるニュース源(※Kartz調べ)
- 概要:2014年設立のインディペンデント系ニュースメディア。軽い読み物、社会風刺、ライフスタイル情報などを混合。
- 特徴:若年層との接点を意識したUI/UXと口コミ拡散力。政府批判や社会論争も扱い、Viral記事の多さが収益の基盤。
- 読者層:20〜40代の一般市民、SNSを日常的に利用する世代。
4. BBC(シンガポール向け)
画像引用元:BBC
- 月間PV数:約3.28 百万(※Kartz調べ)
- 概要:英国BBCの国際ニュースサイト。シンガポール/アジアの各地向けに主要ニュース・解説記事を提供。
- 特徴:国際報道に定評。調査報道や深層特集が充実し、シンガポール社会や観光関連の記事も発信。
- 読者層:国際ニュースを重視する英語リテラシーが高い層、教育層。
5. そのほか注目メディア
- Yahoo! News(ポータル集計では1位だが、編集独自報道は少なく、アグリゲーター性が高いため除外)
- CNN、NYTimes等:海外大手だが上位にランクインし、英語読者の閲覧機会も多い。
※データ参照:Semrush
メディア環境と傾向
- 英語中心+多種多様なニュース提供
シンガポールは英語が主要言語であり、それゆえ英字メディアが国内ニュースの主戦場となっています。伝統的大手紙と新興デジタルメディアの棲み分けが明確です。 - 速報性と娯楽性の共存
CNAやStraits Timesが「ニュースソース」として広く受容される一方、Mothershipのような軽いコンテンツも人気。ニュースと生活情報の境界が曖昧になり、滞在時間の最大化が図られています。 - SNSとの連携強化
全メディアがFacebookやTwitter、Instagramに力を入れており、特にMothershipやCNAの動画コンテンツは広く拡散されやすい特徴があります。
新興メディアと注目潮流
● Zaobao Singapore(联合早报)
- シンガポール唯一の日刊中国語紙のオンライン版。オンライン月間読者285K程度で、華字コミュニティやアジア情勢報道の深掘りが強み。
● STOMP
- ユーザー投稿型のローカルニュース&人情話・ゴシップ系メディア。若者・SNSユーザーに支持。市民目線が強く、社会の「小さな話題」収集装置として機能。
● AsiaOne
- SPH傘下のデジタルコンテンツプラットフォームとして進化。ニュース・エンタメ・ライフスタイル・地球環境など幅広い分野を内製コンテンツとして展開、30代以下読者に人気。
総括
シンガポールの一般ニュース系Webメディアは、伝統メディアとデジタルネイティブの併存体制が顕著です。The Straits TimesやCNAのような信頼性重視の報道体制と、MothershipやZaobaoのようなSNS指向・読者参加型メディアが混在しています。
企業や自治体がPR戦略を設計する際は、メディア特性に応じて使い分けが重要です。たとえば:
- 政策発表やハイエンドな信頼性を重要視するなら ▶︎ CNA/Straits Times
- 若年層への話題作りやブランド認知拡大を目指すなら ▶︎ Mothership/STOMP
また、多言語対応(英語・中国語)やSNS露出を重視した企画・動画などのコンテンツ戦略は、今後ますます重要になるでしょう。シンガポールを含む多文化環境で成果を出すためには、「誰に、どのタイミングで、どのメディアを通じて伝えるか」の最適化が鍵を握ります。
弊社は、世界各国に向けての効果的なPR施策を提供しております。また上記のメディアピッチするなどのマーケティングプランも用意しております。もし海外に向けたマーケティングをお考えでしたら、弊社までお気軽にお問い合わせください。