COLUMN海外メディア戦略コラム
ビジネス拡大のための「R.I.S.E.」テクニック
インフルエンサーを起用するメリットは、ターゲットとするユーザー層にリーチしてブランドへの認識を高めることができるということ。つまり、インフルエンサーはあなたのビジネスの効果的な代弁者となります。
「R.I.S.E.」テクニックを実践することで、キャンペーンはより生産的、かつ有益なものとなり得ます。「R.I.S.E.」とは「結果(Result)」「誠実さ(Integrity)」「戦略(Strategy)」「エンゲージメント(Engagement)」の頭文字をとったもの。
ここでは、インフルエンサーを見つけ出す際にこのテクニックを活用することでビジネスの拡大がより期待できるということを理解していただくため、一つひとつ具体的にご紹介していきましょう。
結果 Result
まずは、達成したいと願っている成果を明確に。可能であれば期待している結果を定量化しましょう(新規クライアントの数や売上アップ率、ソーシャル・メディアのフォロワー増加数など)。
また、インフルエンサー・マーケティング専用のプラットフォームを活用することで、それぞれの目標に見合った適切なインフルエンサーを発見できるとともに、キャンペーン結果のトラッキングも可能になります。実際にインフルエンサーを起用するにあたっては、ゴールとする特定の結果についてきちんとコミュニケーションをしておくようにしましょう。
インフルエンサーのアプローチによって期待した結果がもたらされることを信じるとともに、具体的なキャンペーン・プランについても事前確認しておくことが大切。彼あるいは彼女がプロダクトの写真をインスタグラムに投稿してくれるとしても、ほかのソーシャル・メディア・プラットフォームでも展開してくれる保証はありますか?
そのため、インフルエンサーをアサインするにあたっては、過去のキャンペーンにおいて彼らの達成した結果を具体的に報告するよう常にリクエストすることを心がけましょう。
誠実さ Integrity
誠実さはなによりも大切。インフルエンサーがあなたのビジネスを推奨することで対価を得ているかどうかは、すぐに消費者の知るところとなるものです。そのため、インフルエンサーは自分の投稿がブランドから対価を受けたうえでのものであることをきちんと明言すべきです。
もちろん、理想としてはインフルエンサーが純粋にプロダクトやサービスを使用してくれていること。そのためには、まずインフルエンサーにブランドを使ってもらうべくトライアルの機会を提供すること、あるいはプロダクトやサービスを利用するイベントをインフルエンサー向けに開催することです。
また、インフルエンサーをアサインするにあたっては、彼らがどのようにしてフォロワーを獲得していったのかを事前に確認するようにしましょう。戦略的・作為的に動くことでフォロワーを増やしたのではなく、自然にフォロワーが増えていったインフルエンサーを選ぶことで、推奨されたプロダクトやサービスを購入してくれる熱心なフォロワーの人数を増やすことができます。
戦略 Strategy
インフルエンサーを選択する際には戦略的に。ブランドに共感しているインフルエンサーを見つけることが重要であり、ビジョンを明確化するためには戦略的なプランを立てることが欠かせません。
戦略を立てるにあたっては、ブランド・アラインメント(有益なつながり、釣り合い)や利害対立、コンテンツの開発、そしてコンテンツのオーナーシップの4点考慮することが大切です。
ブランド・アラインメント
- ・インフルエンサーがあなたのブランドを代弁できるかどうか(例えば、ハイエンドな高級ブランドの場合、インフルエンサーの与えるイメージがブランドに釣り合っているか)
- ・ブランドの既存顧客がそのインフルエンサーに関心を抱くかどうか
- ・インフルエンサーのフォロワーがブランドがターゲットにしているユーザー層に当てはまるか
- ・インフルエンサーが真に熱心なフォロワーを持っているか(各投稿のコメント欄に一定以上のコメントが投稿されているか)
利害対立
- ・インフルエンサーが現時点で推奨しているほかのブランドにはなにがあるか(競合あるいは利害対立のあるブランドはないか)
- ・インフルエンサーがコラボレーションをするブランドを決めるにあたって、どういった基準を持っているか
- ・コラボレーションをされると困るような競合や利害対立のあるブランドとインフルエンサーとのあいだに将来的な計画があるかどうか
コンテンツの開発
- ・どういったタイプのコンテンツを制作するか
- ・どの程度オリジナルなコンテンツを制作するか
- ・サービスやプロダクトに対する提案として、具体的にどういったオファーがなされているか
- ・ソーシャル・メディア以外での展開可能性:インフルエンサーがユーザーに働きかけるソーシャル・メディア以外のプラットフォームはあるか(例えばプロモーション・イベントへの参加、公衆の面前でプロダクトを利用する機会、ブログでの投稿、プロダクトをフィーチャーしたイベントの開催など)
コンテンツのオーナーシップ
- ・コンテンツの権利を誰が所有するか
エンゲージメント Engagement
フォロワー数が多いからという理由だけでインフルエンサーとコラボレーションをするという選択は大きな間違いのもと。
まずなによりも、プロダクトやサービスに対する高い次元でのエンゲージメントがなくてはなりません。起用しようとしているインフルエンサーは、彼らのフォロワーと良好なエンゲージメントを築けていますか?(例えば、投稿に対する「いいね」やリツイートの数、視聴やシェアなどの回数が基準となるでしょう)
比較的スケールの小規模なビジネスにとっては、マイクロ・インフルエンサーと組むのがうってつけかもしれません。彼らはフォロワー数は比較的少ないものの、とてもニッチで熱心なフォロワーを従えているからです。
また別の戦略としては、インフルエンサーのタイプを多様化すること。例えば、フォロワーの属性を多様化してみること、あるいはインフルエンサーの活躍するプラットフォームを多様化してみることなどが有効でしょう。
まとめ
いまや、インフルエンサーを使ったマーケティングはターゲットとするユーザー層にアプローチするための正当な手段のひとつとされており、彼らは広告戦略における効果的な役割として確固たる地位を築いています。インフルエンサー起用の際にここでご紹介した「R.I.S.E.」テクニックを実践することで、適切な結果を伴う有益なキャンペーンを実現できるようになるでしょう。