COLUMN海外メディア戦略コラム
プレスリリースに含めるべき14のポイント
新製品の発表や新役員の登用、社会貢献活動など、企業として広く知らせたいニュースがあるときに利用するツールのひとつがプレスリリースです。
最近流行りのソーシャル・メディアに比べると時代遅れに感じるという方がいるかもしれませんが、きちんと準備され、作成されたプレスリリースは幅広いニュース・メディアにリーチする可能性が高まり、報道価値の高いものとして取り上げられやすいもの。
しかし「送信」ボタンをクリックする前に確認しておきたいのは、編集者や記者が真に報道価値があると考えるものと消費者が評価するものとは根本的な違いがあるということ。そしてニュースを発信する際にはこの違いを考慮することが大切だということです。
ここでは、告知をピックアップしてもらうためにプレスリリースに含めるべき14のポイントをご紹介します。
01. 興味を引くタイトル
もしタイトルを一目見て興味を引かれなければ、プレスリリースは読んでもらえません。タイトルに適切なキーワードが含まれており、良質でしっかりとした内容を伝えるようにしましょう。
加えてタイトルの言葉づかいがユニークであれば、その分シェアしてもらえる確率も高まります。ただし単なるクリックベイト(クリック誘導)とするのではなく、思わずシェアしたくなるような価値のある情報を提供することが大前提です。
02. 関連情報へのリンク
プレスリリースはニュースをシェアするための唯一の手段であり、もっとも効果的なものであるべきです。ただしプレスリリースだけですべてを完結させようとすると、失敗する恐れがあります。
リリースはさまざまな事実をオーガナイズしたものであるべきで、ターゲットとするユーザーに効果的にストーリーを伝え、エンゲージメントを獲得することを目指すべきです。それを達成するためには、リリースの中に関連情報へのリンクやアクセス情報を含めることをおすすめします。
03. よりスケールの大きな報道価値的アングル
掲載するニュースは”社内的”にはワクワクするものかもしれませんが、プレスリリースではより客観的なアングルが提供されることが大切。下書きを作成する前にディテールから一歩引いて、メディア側の視点で眺めるようにしましょう。
自社以外の立場のひとにとって、そのニュースが報道価値を持つのはどんな点でしょう?リリースの要点に潜んでいるよりスケールの大きなトピックはなんでしょうか?メディアはよりスケールの大きなトレンドを反映しているニュースを求めていますので、リリースされる情報があなたの会社を超えた価値を提供できるかを確認しておきましょう。
04. 記者への個人的なアピール
一枚のプレスリリースが記事としてピックアップされるためには、単なるアナウンスメント以上のものでなければなりません。プレスリリースを提出するのは広く周知してもらうためであり、そのためには以前同じようなトピックで記事を執筆している記者にメールを送るようにするといいでしょう。メールは当該記者に宛てたかたちとし、たくさんのメールの山の中で見落とされないよう、引きの強いタイトルをつけるのをお忘れなく。
05. 興味深いデータやコメンタリ
幸運にもあなたのニュースがメディアに十分にアピールし、なかには追加で質問を投げてきたりインタビューをセッティングして特集記事を執筆してもらえたりすることもあるかもしれません。しかし実際には、リリースからいくつかの情報をそのまま抜き出した簡単な要約を掲載してもらえれば御の字といったところ。そのため、採用してもらう可能性を高めるためには、興味深いデータやコメンタリを含めることが欠かせません。
06. 消費者に対する説得力
あらゆる新製品や独創的なアイディアは少なくともある特定のカスタマーを想定して作られているもの。それは誰でしょう?そしてなぜそれは彼らにとって魅力的なのでしょうか?もしこれらについて明確な回答を持っていないのでしたら、見つかるまで探してください。
明確なベネフィットを提示することなくだらだらと文章を連ねるのは避けましょう。効果的なプレスリリース作成するにあたっては、これらの質問を自らに投げかけることが有効です。
07. 魅力的なディテール情報
あなたのストーリーに読者の興味を引くためには、ディテール情報を必ず含めるようにしましょう。「5W1H」だけに終始するのではなく、もたらされるメリットについて具体的なイメージを明確に描いてあげるのです。
感覚に訴えかけるディテール情報はあなたのストーリーを現実のものとし、あなたのメッセージを忘れられないものにします。こういった情報がなければあなたのアナウンスメントはありきたりで退屈なものとなり、読者にもっと知りたいという感情を呼び起こすことはありません。
08. カスタマーからの推薦
カスタマーからの推薦があれば、あなたの会社のニュースはより身近なものとなります。あなたは世界に新しい利便性をもたらすことをアナウンスし、一人のカスタマーからのコメントはそれが真実であることを証明するのです。つまりあなたの語るストーリーに実態をもたらすのであり、プレスリリースを実態のある、関連性のあるストーリーへと変容し、より記憶に残る、真実味のある、シェアしたいものへと変えていくのです。
09. エキスパートからのコメント
あなたの会社のキーとなるステークホルダーあるいは伝えたいトピックのエキスパートからのコメントがなければ、プレスリリースは成功することはないでしょう。そのためには、さまざまなトピックスについて対応できるようにエキスパートのネットワークを確立しておくことです。一人の知識人にコメントしてもらうだけで、プレスリリースにブランドの信頼性や報道価値、そして発展性を盛り込むことができます。
10. 役立つリサーチ結果
ニュース記事を書くうえでもっとも時間を要するのがリサーチです。そのため、そういった時間のかかるリサーチを事前に行ってあげることで、記者が質の高い記事を執筆することをサポートできます。加えて付随的なコンテンツの関連リンクを含めることで、記事の中身を膨らましやすくもなります。
11. 説得力のある引用
プレスリリースに引用を含めることは欠かせません。というのもリリースに事実を書き連ねる以外の方法であなたのアナウンスメントにコメンタリを提供する唯一の機会だからです。
もっとも最適と思われる人物を見つけ、以後のメディアでのフォローアップ・インタビューがある際には同じ人物に依頼するようにしましょう。もし説得力がある方であれば、あなたの組織の役員やカスタマーからの引用を含めてもいいでしょう。
12. 伝統にしばられない配信プラットフォーム
プレスリリースの多くはいまや決まり切ったワークフローのステップのひとつになりさがっており、その傾向は特にB2Bで資金調達を行う際に顕著となっています。
とてつもないインパクトを秘め、以前は想定されなかった局面で新しいユーザーを発掘するプレスリリースというのは、ビデオや業界イベントにおける屋外プロジェクター、キャンペーンのためのダイレクトメールといったような「非伝統的」なプラットフォーム経由で発信されたものであることが少なくありません。
13. 周到なSEO対策とデジタル・アセット
プレスリリースを仕上げる際には、どのフレーズがターゲットとするユーザーをもっとも引きつけるのか、キーワード検索を実施するようにしましょう。実際の製品やサービスのウェブサイトへのリンクを追加し、コンバージョンのトラッキングのためのデジタル・アセットも加えましょう。
また、トラッキングの精度を高めるため、ウェブサイトやソーシャル・メディア、Eメール形式のニュースレターなどのデジタル・プラットフォーム経由でプレスリリースを配信することも効果的です。
14. パーソナリティとカンパニー・カルチャー
しばしば似たようなニュースリリースを見かけることがありますが、忘れないでいただきたいのは、なによりもあなた自身がワクワクするようなニュースを伝えているのだということ。もちろん、ニュースの概要やその意義を明確にすることは求められますが、それだけでなくあなたの会社のカルチャーや本質的価値を伝えられるようにしましょう。
新しいフォーマットを試したり、キャッチーなヘッドラインを取り入れたり、思い切ったステートメントや刺激的な引用を交えたり、さまざまな工夫を行いましょう。シェアする価値のあるワクワクするニュースと考えているのでしたら、そのワクワクを伝えられるようにあなたの熱意を込めるべきです。