COLUMN海外メディア戦略コラム
押さえておきたいキーワード NFT
2021年に一大ブームとなった「NFT」。Yahoo!ニュースで見ない日はない、といってもよいほど、大きな注目を集めました。NFTのブームはすでに去ったのかといえば・・・実は、2022年こそNFTブームになると予測し、参入する人々が後を絶ちません。
本記事では、NFTが気になるけれども、よくわからないという方に向け「NFTとは何か」について説明します。その後、NFTの可能性や今後の見通しについて紹介します。
NFTに乗り遅れた方必見の記事ですので、ぜひ最後までお読みください。
NFTを巡る最近の状況
以下は2021年に紹介されたNFT関連の情報です。NFTをよくわからない人たちからすると、一体何が起こっているのかと不思議だったのではないでしょうか?
- ・定価200円で販売されたSKE48のNFTトレカが二次販売で十数万円!?
- ・ももクロのNFTトレカの売上が2,000万円を突破!
- ・ツイッターSEOの初めてのツイート画像が3.6億円!
- ・クリスティーズのNFTデジタルアートが何と75億円!
(画像の参照元はTechCrunch | Startup and Technology News)
他にも、イギリスのコリンズ英語辞典が発表した今年の10ワードで見事1位を獲得するなど、世界中の人々が「NFT」に夢中になりました。NFTとは一体何なのでしょうか?
NFTとはそもそも何?
NFTのことがよくわからない方に「そもそもNFTとは?」と説明するのは不適切かもしれません。というのは、そもそも論で話をすると、NFTは非常に複雑だからです。できる限りわかりやすく説明しますが、より具体的な内容を知りたい方はNFTの専門サイト等をご覧ください。
NFTは英語の頭文字から来ています。元々のワードは、「Non-Fungible Token」で、日本語では「非代替性トークン」と呼びます。これを聞いただけで、理解するのを諦めてしまう方も多いでしょう。もう少しお付き合いください。
「非代替性」とは他のものにとって変わることがないもの、「トークン」とはデジタル通貨などを指す言葉です。これを合わせると、「デジタルでの唯一無二の存在」となります。
上記を理解するために、あえて「デジタルではない唯一無二の存在」について考えてみましょう。たとえば、個人の保有物で有名なものとして「土地」が挙げられます。
元々土地は、誰のモノでもありませんでした。しかし、徐々に自分の土地だと主張する人が増え、人々は土地を奪い合うために長い間争ってきました。何かを所有するというのはそれほどに強い魅力があるのです。
しかしながら現在では、土地には所有権があり、正しい方法で購入することでその土地は自分のものであると証明してもらえます。だれがなんといおうが、正規の書類があれば、それはその人のものです。
しかし、オンライン上の作品、たとえばデジタルアートやデジタルミュージックなどは、そのような「所有」が難しかったのです。
いや、著作権があるではないか?と思うかも知れません。確かにデジタル作品は著作権で保護されています。また、作った人が制作者として所有権を持ちます。
しかし実際には、アートも音楽も、ボタン1つで簡単にコピーでき、所有者は誰だったのかわからないような状況です。海外では日本のアニメの画像が好き勝手に利用されている状況からもおわかりいただけると思います。
このような状況を変える可能性があるのがNFTです。NFTによって、デジタルのモノに対しても所有権が付与できます。その仕組みについては今回は省略しますが、仮想通貨の元になっているブロックチェーンの仕組みが利用されています。デジタルのモノを誰が所有しており、そして以前誰が所有していたのか、どのような経路で所有権が移り変わったのかなどを明確に示してくれます。
注意したいのは、「NFT=価値がある」というわけではないことです。
現実上において、すべての絵画に価値があるのではないのと同様に、NFTで価値がつく作品はほんの一握りです。つまり、皆が買いたいと思うNFTには高い価値がつくという点には注意する必要があるでしょう。
しかしながら、NFTの仕組みをうまく活用すれば、価値のある作品を比較的簡単に生み出すことが可能です。
例えば、先に挙げたももクロの例でいえば、世界でたった1枚しかない限定NFTカードであれば、それを所有したいという人は当然多くいます。また、将来、そのカードをバーチャル世界で展示できるのだとしたら、現実世界のものと同様、いやそれ以上の価値がつく可能性もあるのです。
また、有名人の所有物を所有したいという人も多くいます。例えば、好きな芸能人が保持していたものであれば、どのようなモノでも買いたいと思うのがファンというもの。
例えば、大好きな芸能人が長期で保有していたNFTであれば、それだけでもファンは獲得したいと感じます。〇〇が愛用していたNFT、〇〇がバーチャルルームに飾っていたNFTなど、ファンであればたまらないアイテムになり得ます。
このように、NFTはデジタルのモノに対して新しい価値を付与します。このNFTを活用し、大きなブームを巻き起こそうとしているのが、これまでデジタルに苦しめられてきた芸術分野の人々です。アートや音楽などの世界でNFTブームが起きようとしているのです(世界ではすでに起きています)。
NFTの今後の可能性とは?ジャンル毎に紹介
NFTの今後の可能性について、ジャンル毎に簡単に紹介します。
アート
現在NFTで最もホットなのがアート分野です。有名な画家が制作したデジタルアートは高額な費用で取引されています。たった1枚の画像に数十万から数千万の値がつくことも少なくありません。
現在はNFTブームということもあり、少し加熱しすぎな印象もありますが、人間の所有欲の強さを考えれば2022年も大きな注目を集めることでしょう。有名作家が制作した画像だけでなく、有名人が作った世界に1つしかない画像なども高値で取引されるだろうと考えられます。
また、NFT分野に新規に参入したアマチュアデザイナーも多くいます。制作したNFTアートが富豪や芸能人に気に入られれば、高値で購入してもらうことも可能です。
ゲーム
ゲーム世界のアイテムなどもNFT化され、仮想通貨などを用いてトレードされる世界がやってきます(一部ゲームではすでに導入されています)。完全オリジナルのドロップ品やイベントの優勝トロフィーなどがNFT対象になってくるでしょう。
NFTゲームとして有名なのはaxieinfinityなどがありますが、今後同類のNFTゲームが大量に開発される可能性が高いといえます。趣味のためのゲームでは無く、ゲームをプレイしてお金を稼ぐ時代がやってきます。
音楽
音楽分野においてもNFTが注目を集めています。楽曲制作者は音楽とソースをNFT化し、販売します。買い手はNFT音楽を自分だけのオリジナル作品として扱えるため、「自分の音楽」がほしい人たちの中で高い需要があります。
アート分野と比べるとまだまだ発展途上ではありますが、2022年には大きな進歩を遂げるだろうと考えられています。
NFT分野には今すぐ参入すべき?
NFTは今後数年、時代のブームになる可能性を秘めています。そのため、NFTへの理解を深め、チャンスがあれば参入することをお薦めします。
しかしながら現在、NFT作品に異常ともいえる値がつくなど、過熱しすぎている感もあります。デジタル物を所有できる、という新しい権利は魅力的なものですが、NFTがどれほどの価値を持つのかは、あくまでも作品や活用方法次第です。参入する場合には自身でその価値を正しく見極めると共に、無理のない範囲での参加から始めるとよいでしょう。
おわりに
今回は2021年に一躍ブームとなったNFTについて説明しました。NFTは今後ますます注目を集める可能性があります。一方で、何か問題が発生し、一気にブームが去る可能性ももちろんあります。常に最新の情報に目を通すようにしてくださいね。
世界では最新のテクノロジーを用いた新しいブームが常に生まれ続けています。これらのブームにうまく乗ることが今後の成功にもつながります。弊社サイトでは世界で注目のトピックについても取り上げていますので、ぜひまた遊びに来てください。