COLUMN 海外メディア戦略コラム

こんなに違う!?世界のマスク事情

日本ではつけて当たり前のイメージがあるマスクですが、世界では多くの議論やマスクがきっかけとなった抗議運動が行われたことをご存じですか?

海外マーケティングの基本は相手の考えや価値観を知ること。コロナによって明らかとなったマスクに対する価値観の違いは、海外マーケティングを考える上で重要な示唆を示してくれま。

そこで今回は、コロナ禍における世界のマスク事情について紹介します。

アメリカ

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2020年に実施された大統領選挙の際には、トランプ派はマスクの着用なし、バイデン派はマスクを着用というように、マスクに対する意見までも真っ二つに分かれていたことが記憶に新しいアメリカ。

マスクを利用する文化があまりないアメリカでは、コロナが拡大する中でマスクの着用が義務化されると、多くの人々が反対しました。中でも顕著だったのは、首都であるワシントン州が公共の場でのマスク着用を義務づけたときです。多くの人がマスク義務化に反対し、大規模な抗議運動が行われました。

アメリカにおいてこれほどマスクが嫌われる理由として、マスクに対する考え方の相違があります。アメリカ人の中には、マスクは効果がないだけでなく、むしろ呼吸を苦しくし、さらなる危険を生み出すと考える人もいます。また、自由の国アメリカにおいて顔を覆わなくてはならないマスクは、価値観やアイデンティティの押しつけだと感じる人もいたようです。さらに、マスクをつけるのは軟弱さを示すことになるとして拒否反応を示した人もいました。

アメリカでは現在でもマスクに対するさまざまな考えがありますが、公共の場ではマスクを装着するのが一般化しつつあります。しかし、コロナという命と関連する事態であっても考え方や価値観、文化の違いによりマスクがすぐに広がらなかったことを考えると、海外マーケティングにおいても現地の文化に合わせるローカライズが非常に重要であることがわかると思います。

ヨーロッパ

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コロナの拡大が進む中で、マスク文化がなかなか定着しなかったのがヨーロッパです。ヨーロッパのマスク装着率はアメリカと比べても低く、2020年11月にWHOがヨーロッパ諸国のマスク着用率が低いことを指摘し、装着を促すようにコメントするという事態になりました。

ヨーロッパではマスクを着用する文化がなく、マスクを推奨するだけでは効果が薄いことから、マスク着用を義務化する国が急増しました。たとえばイタリアでは屋外でのマスク着用が義務化され、ドイツでは公共機関を利用する際に医療用マスクの着用が義務化されました。また、都市ごとの対策も多く実施されており、ベルギーの首都ブリュッセルやフランスのパリ、スペインのマドリードなどでは、独自のルールのもとでマスク着用が義務化されました。その一方で、スイスのように、国全体がマスクの着用に積極的でない国もあります。

2020年後半から増え始めたコロナ変異種の拡大を受けマスク着用が市民の中に一般化してきたといわれるヨーロッパですが、公共の場以外でのレジャーや娯楽が原因でコロナに感染する人も多いようです。マスクの装着のみに固執することなく、国の実態に合わせた対応を取ることが何よりも重要なのかもしれません。

台湾

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コロナウイルスの拡大防止策において世界から高い評価をされているのが台湾です。米ブルームバーグが2020年7月に発表した「新型コロナウイルス対策で成果を上げている国・地域ランキング」において、台湾が世界一に選ばれています。

台湾のマスク事情はどうかといえば、いくつかの地域においてはマスクが義務化されており、違反した場合にはなんと5万円の罰金が科せられるところもあります。しかし、逆にしっかりと応じていれば外食や買い物も楽しめるため、特に市民の抵抗なく実施されているようです。

また、マスクの需要が高まった際、マスクを買いたいけれども買えない人を生み出さないために、在庫をオンラインマップに示す「マスクマップ」というシステムも誕生。これにより、住民が簡単にマスクを購入できる基盤を作り上げました。

その後、台湾発の医療用マスクを購入しようと世界中の人々が殺到し、台湾製のマスクが世界で高いブランド力を獲得することになりました。

マスク1つ取ってみても、次に起こりうる事態を想像し、事前に対策を取った台湾政府から学べることも多いと思います。

 

フィリピン

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世界で最長のロックダウンが実施されているフィリピンでは、屋外や公共の場でのマスク着用だけでなく、フェイスシールドの着用までも義務づけられています。1年中温暖な気候のフィリピンではマスクとフェイスシールドを顔を覆った状態で外出するのはある意味危険との反対意見も多くありました。しかし慣れは怖いもので、現在ではほとんどの人が当たり前のようにマスクとフェイスシールドを装着しています。

日本と同じく1億人を超える人口を有するフィリピンではマスクの義務化によって供給が追いつかなくなるのではとも考えられましたが、1度で使用できなくなる使い捨てマスクではなく、洗濯可能な布マスクを中心に利用することで大きな混乱は生じませんでした。

フィリピンではマスクをつけたまま生活や仕事をするニューノーマルがすでに定着しており、コロナとの共生の道を探っています。

終わりに
マスク着用の文化が定着している日本では、コロナによってマスクをつけるのはある意味自然のことといえます。しかし、世界にはマスクの着用が一般的でなかったり、マスクに対するマイナスイメージを持っていたりする国も多くのあるのが実情です。

マスク1つ取ってみても、さまざまな考え方があるのが世界です。日本人にとっての当たり前は、世界の当たり前とはならないことが多くあります。

これは海外マーケティングにもいえることで、日本で流行っていたものを海外に持っていったとしても、それだけでは流行らないことがほとんどです。海外マーケティングで成功するためには、現地の人々の考え方や文化などに即して考える「ローカライズ」が非常に重要です。

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