COLUMN海外メディア戦略コラム
香港・台湾向けのプレスリリース講座
今やアメリカをもしのぐ最重要市場となりつつある中国。
この巨大市場へ参入するルートとして近年注目されているのが香港と台湾です。
中国本土に比べて新しい情報や商品を積極的に取り入れるこのふたつの地域でいかに話題を呼べるかが中国での成功のカギとなります。
今回はそんな香港・台湾市場に響くプレスリリースの作り方、書き方について解説しましょう。
MADE IN JAPANのパワーは未だ健在
近年、その力が衰えているのではないかと懸念されているMADE IN JAPANブランドですが、未だにアジア市場においてその信頼性は絶大です。国別の訪日外国人旅行客数を見ても、韓国・中国・台湾・香港が常に上位を占めていることから、極東地域における日本のブランド力が伺えます。
しかし、MADE IN JAPANブランドが持つ意味合いが少しずつ変わってきているのもまた事実です。90年代までは流行や技術の最先端をいっていた日本製商品ですが、現在「世界の工場」と呼ばれる中国の台頭や世界的なK-POPブームの影響で、「日本=最先端」というイメージは薄れつつあります。
一方で未だに根強く残っているのが「日本製=安全」という高品質神話です。
特に香港・台湾を含む中国語圏では「同じ中国製商品でも一級品は日本へ輸出され、それ以外のものが中国で販売される」という都市伝説が蔓延るほど日本で売られている商品に対する信頼性は絶対的で、その影響で本国でも売っている商品をわざわざ日本に買いにくる旅行客もいるそうです。
香港・台湾向けにプレスリリースを配信する場合、これをまず念頭に置くことが大切です。
例えば「日本で流行している最新の・・・」という点よりも、「日本国内で生産」「日本における満足度◯◯%」など、オシャレさやファッション性よりも確かな品質の高さを強調するようにしましょう。
インフルエンサーのコメントは必須
現在、香港と台湾はインフルエンサーマーケティングが急成長を見せており、特に若者向けの商品やサービスにおいては彼らの意見が売り上げを大きく左右されると言われています。
そんなオピニオンリーダーたちを活用しない手はありません。インフルエンサーのコメントをプレスリリースに含め、またできれば彼らが商品のレビューをするビデオのリンクなども含めると非常に効果的でしょう。
さらに、特に香港においては近年ライブストリーミングが台頭しているため、プレスリリースを送るとともに商品の体験会や座談会を生中継でネット配信するとアクセスも伸び、媒体ウケもいいでしょう。
最新のSNSプラットフォームを随時チェック
これは香港・台湾に限ったことではありませんが、PRで成果をあげるには最新の流行を把握していなければいけません。そのためにも、その国で普及しているSNSプラットフォームを常にチェックする必要があります。
例えば香港では現在SnapchatがFacebookに次ぐ人気を誇っており、Snapchatにおけるインフルエンサーやトレンドを知ることが、プレスリリースの効果を大きく左右するでしょう。
またSNSはいいね数やシェア数だけでなく、「踊ってみた」動画に代表される再現や独自のアレンジを加えたオマージュコンテンツの多さも評価指標となります。昨年末、台湾を中心に「口紅に触れずに食べ物を食べる方法」というブームが起きましたが、こういった真似しやすいコンテンツは常にチェックし、プレスリリースの文言にも「口紅の次は・・・」というふうに言及することで媒体にも刺さりやすくなるでしょう。
現地の”空気”を理解することが成功のカギ
日本においても全く同じことが言えますが、PRはその時の”空気感”をいかに反映させ、受け手側にどのように見られるかを考えなければなりません。そのため、日本では定説とされている手法も、他国では全く通じないことがあります。
そのためにも、香港・台湾の文化や流行といった流れを熟知し、その流れの一歩先を行けるかどうかが成功のカギになります。
今後さらに重要性を増していくであろう中国市場を見据え、今のうちに香港や台湾のメディア事情や流れを掴んで奥に越したことはないでしょう。