COLUMN海外メディア戦略コラム
ソーシャルメディア事情【ヨーロッパ編】
これまで、アジア、北米のソーシャルメディア事情を紹介してきました。ヨーロッパにおいても、ソーシャルメディアは個々人のコミュニケーションツールに留まらず、ビジネスの現場において積極的に利用されています。しかし一括りにヨーロッパといっても、各国が異なる言語・文化を有しているため、ヨーロッパをターゲットにしたグローバルマーケティングやPRを行う際には、各国のソーシャルメディア事情を理解しておくことが重要です。
そこで本記事では、ヨーロッパ各国のソーシャルメディア事情と注目のソーシャルメディアについて紹介します。
ヨーロッパ各国のインターネットおよびソーシャルメディア事情まとめ
ヨーロッパ各国の中から、GDPがトップ10の国を抽出し、それらの国のインターネットおよびソーシャルメディア事情についてまとめました。参考までに日本のデータも追加しました。
※データは、Global Digital Report 2019(we are social)を利用しています。
表1 ヨーロッパ各国のインターネットおよびソーシャルメディア事情
国 | 人口 | インターネット
ユーザー数 |
ソーシャル
メディアの 利用者数 |
1日の
インターネット 利用時間 |
1日の
ソーシャル メディア 利用時間 |
平均
ソーシャル メディア アカウント数 |
ソーシャル
メディア ビジネス 利用割合 |
ドイツ | 8237万人 | 7913万人 | 3800万人 | 4時間37分 | 1時間4分 | 5.1個 | 10% |
イギリス | 6677万人 | 6343万人 | 4500万人 | 5時間46分 | 1時間50分 | 7.1個 | 13% |
フランス | 6536万人 | 6470万人 | 3800万人 | 4時間38分 | 1時間17分 | 5.8個 | 9.5% |
イタリア | 5925万人 | 5480万人 | 3500万人 | 6時間4分 | 1時間51分 | 7.4個 | 11% |
スペイン | 4642万人 | 5444万人 | 2800万人 | 5時間18分 | 1時間39分 | 7.9個 | 19% |
オランダ | 1711万人 | 1638万人 | 1100万人 | 4時間44分 | 1時間16分 | 6.2個 | 14% |
スイス | 858万人 | 815万人 | 440万人 | 4時間58分 | 1時間16分 | 6.6個 | 20% |
ポーランド | 3807万人 | 3007万人 | 1800万人 | 6時間2分 | 1時間45分 | 7.3個 | 17% |
スウェーデン | 1002万人 | 966万人 | 720万人 | 5時間56分 | 1時間49分 | 7.1個 | 16% |
ベルギー | 1153万人 | 1086万人 | 750万人 | 5時間01分 | 1時間31分 | 6.7個 | 13% |
日本 | 12700万人 | 11890万人 | 7800万人 | 3時間45分 | 36分 | 3.7個 | 6.1% |
表1のデータを見ると、ヨーロッパのGDP上位10か国においては、インターネット普及率が非常に高いことが分かります。インターネットは、広く国民に普及していると考えてよいでしょう。ヨーロッパの経済大国として知られるドイツは、日本よりも多くの時間をオンラインに費やしている一方で、ヨーロッパの他の国々と比べると低い値を示しているのは注目すべき点です。EUに加盟していないスイスは、ソーシャルメディアの利用率が50%強で比較的低い値にも関わらず、ソーシャルメディアのビジネス利用率は高い値を示しています。スイスでは、ビジネスのためにソーシャルメディアを利用している人も多いと考えてよいでしょう。
表2 ヨーロッパ各国で利用されているソーシャルメディア
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
ドイツ | YouTube | FB Messenger | |||
イギリス | YouTube | FB Messenger | |||
フランス | YouTube | FB Messenger | |||
イタリア | YouTube | FB Messenger | |||
スペイン | YouTube | ||||
オランダ | YouTube | FB Messenger | |||
スイス | YouTube | FB Messenger | |||
ポーランド | YouTube | FB Messenger | Skype | ||
スウェーデン | YouTube | FB Messenger | Snapchat | ||
ベルギー | YouTube | FB Messenger | |||
日本 | YouTube | Line |
表2には、ヨーロッパ各国で利用されているソーシャルメディアの上位5つを記載しました。人気のソーシャルメディアは、以前に北米のソーシャルメディア事情で紹介した項目とほぼ同様で、「YouTube」「WhatsApp」「Facebook」「FB Messenger」「Instagram」「Twitter」の6つがヨーロッパでも頻繁に利用されているソーシャルメディアといえます。そのため、ソーシャルメディアを活用したマーケティングやPRは行いやすいと考えられますが、ヨーロッパ各国では言語・文化が異なること、また2018年よりGDPR(個人データの利用に関する法律)が適用されたことなどを考慮しつつマーケティングを行っていく必要があるでしょう。
ヨーロッパで注目のソーシャルメディア
上記で紹介したように、ヨーロッパでは北米で人気のソーシャルメディアが主に利用されています。しかしながら、これらのソーシャルメディアのユーザー数には及ばないものの、ヨーロッパ発のソーシャルメディアも地元民に愛され利用されています。そこで、ヨーロッパ発の注目ソーシャルメディアについて紹介します。
「Xing」は、2003年にドイツで開発されたビジネス特化型のソーシャルメディアです。ドイツやスペインを始めとするヨーロッパの国々で、主にビジネスマンや起業家、就活生などに利用されています。世界で人気の主要ビジネスプラットフォーム「LinkedIn」とも提携を結んでおり、今後ビジネス分野での拡大が期待されています。
画像引用元:Xing
Dailymotion
「Dailymotion」は、フランス発の動画共有サービスとして知られており、ヨーロッパではYouTubeに次いで人気の動画共有サイトとして知られています。利用規定がYouTubeとは異なるため、YouTubeでは見られない動画を楽しむことができることで注目を集めましたが、現在は利用規約を徐々に厳格化しています。ヨーロッパで動画マーケティングを行う際には、YouTubeと共に活用したいプラットフォームの1つです。
画像引用元:Dailymotion
終わりに
ヨーロッパでは、就職活動をソーシャルメディアを通して行うことも特徴の1つです。EUでは、加盟国内であれば異なる国で働くことができるため、物理的距離を縮めてくれるオンライン就活が注目を集めているのです。
ソーシャルメディアが様々な役割を果たすようになる一方で、ヨーロッパでは、GDPRの適用が開始され、個人データの取り扱いが非常に厳しくなっているなどの状況もあります。ヨーロッパをターゲットにグローバルマーケティングを展開する場合は、ヨーロッパの最新の情報をしっかりと理解した上で進める必要があります。
もし、ヨーロッパをターゲットにしたマーケティングをお考えの場合、多くの実績を有する弊社まで、お気軽にお問い合わせください。
※本原稿は2020年2月に作成・配信したものに一部加筆修正して掲載しております。
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