COLUMN海外メディア戦略コラム
海外クラウドファンディング最新事情-アメリカ編
日本と世界との距離が狭まる昨今、海外のクラウドファンディング事業に興味のある方も多いことでしょう。世界では、日本以上にクラウドファンディングが活発に行われています。特にアメリカは、資金調達の額が10億円を超えるプロジェクトも出現しています。日本ではなく、海外クラウドファンディングを利用するのも1つの戦略といえそうです。そこで本記事では、アメリカにおける最新のクラウドファンディング事情について紹介します。
アメリカのクラウドファンディング事情
様々な統計データを取り扱っていることで有名なStatistaによれば、2024年におけるアメリカのクラウドファンディングの取引額予想は、約12億米ドルと発表されています。取引額は2020年代後半に向けて大きな成長は見られないものの、今後はキャンペーンの数が縮小し、その分各キャンペーンの取引額が大きくなると予想されています。
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アメリカにおけるクラウドファンディングの大きな特徴は、世界中の国から支援者が集まる点です。日本では言語の壁もあるため、支援者の多くは日本人です。しかしながらアメリカのクラウドファンディングでは、アメリカ国内はもちろん、カナダやヨーロッパ、インド、中国など世界中の国から支援を受けられます。また、取引額も高額で、中には10億円を超える資金調達に成功するプロジェクトもあります。
ただし、総取引額が多いからといってクラウドファンディングの成功率が高いのか、といえばそうではありません。アメリカのクラウドファンディングプラットフォーム大手は後に紹介する「Kichstarter」と「Indiegogo」ですが、成功率はそれぞれ35%、17%程度と言われています。日本の主要クラウドファンディングプラットフォーム「CAMPFIRE」の成功率が30~50%強と言われていることを考えると、アメリカの方が成功率は低いことがわかります。
アメリカと日本のクラウドファンディング比較
アメリカと日本のクラウドファンディングを比較してみました。
日本人であれば、利用しやすいのはやはり日本のクラウドファンディングだと思います。日本語での対応が可能であり、また、支援者たちも日本人のため、海外クラウドファンディングと比べると、難易度は低いといえます。しかしながら、以下のような案件を持っている方は、アメリカのクラウドファンディングを検討してみる価値がありそうです。
● 日本人はもとより、外国人の方が関心を持つ案件
● 億を超えるような高額の資金調達が必要
● 海外へのテストマーケティングとして
● 英語に抵抗がない、もしくは海外クラウドファンディングに慣れたサポーターがいる
参考:
https://relic.co.jp/battery/cf/1535
https://camp-fire.jp/stats
アメリカのおすすめクラウドファンディング5選
アメリカにはいくつかのクラウドファンディングプラットフォームが存在します。それぞれ特徴が異なるため、自身の案件に応じて選ぶとよいでしょう。
1. 実績と信頼性で選ぶなら「Kichstarter」
2. 支援者からの評価が高い「Indiegogo」
3. 非営利団体向けにおすすめの「Mightycause」
4. 個人でもチャレンジできる「GoFundMe」
5. クリエイティブジャンルでの支援者探しなら「Patreon」
もし迷った場合には取り扱ったプロジェクト数が多く、また成功率も高いことで知られる最大手「Kichstarter」を利用するのがおすすめです。
1.実績と信頼性で選ぶなら「Kickstarter」
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「Kickstarter」は、2009年にニューヨークで設立されたクラウドファンディングプラットフォームです。これまでに成功させたプロジェクトが25万件を超えるなど、豊富な実績とノウハウが強み。日本語対応のホームページもあるため、英語が苦手な方でも安心です。海外のクラウドファンディングをまずは試してみたい、という方は、Kickstarterから始めるとよいでしょう。ただし、案件数が多いため、その他プロジェクトとの差別化をどのように図るかについてはよく検討する必要があります。
2.支援者からの評価が高い「Indiegogo」
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「Indiegogo」は、2008年にサンフランシスコに設立されたクラウドファンディングプラットフォームです。上記で紹介したKickstarterと共に、アメリカにおける代表的なクラウドファンディングプラットフォームとして人気があります。プロジェクト数はKickstarterよりも少ないものの、良質な案件が集まること、また運営面における信頼性の高さなどから、世界中で高い評価を獲得しています。支援者と良好な関係を築きたいと考えている方は検討してみるとよいでしょう。
3.非営利団体向けにおすすめの「Mightycause」
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「Mightycause」は、バージニア州に本社を置くクラウドファンディングプラットフォームです。同サービスは「非営利団体・個人」向けの案件のみを取り扱っています。支援者は非営利の取り組みに対して高い関心を持っているため、プロジェクトの内容によっては非常に高い成果が期待できます。
4.個人でもチャレンジできる「GoFundMe」
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「GoFundMe」は、個人でも利用できるクラウドファンディングプラットフォームです。事故や病気などで高額の資金援助が必要な場合や、特定のライフスタイルにおける祝賀などに対応しています。一方で大規模な事業・商品開発などの案件は積極的には取り扱っていません。世界中の人々に何らかの援助を求めたい方は検討するとよいでしょう。
5.クリエイティブジャンルでの支援者探しなら「Patreon」
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「Patreon」は、デザイナーや動画制作者、ミュージシャン、マンガ家など、クリエイティブ系向けのクラウドファンディングプラットフォームです。クリエイティブ制作にチャレンジしたいが資金面で困っている、という場合に支援者(パトロン)を募り、資金援助を受けられます。文化や芸術活動に関心の高い支援者が多いため、日本文化や芸術、マンガ、アニメなどの分野であれば多くの支援を集められる可能性があります。
まとめ
本記事では、世界で最も活発といわれるアメリカのクラウドファンディング事情について紹介しました。アメリカのクラウドファンディングは、より大きな資金調達が可能な一方で、日本でのプロジェクトとは異なるスキルやノウハウが求められます。
海外クラウドファンディング初心者であれば、案件数が多く、実績と信頼性に定評のあるKickstarterから始めてみることをおすすめします。弊社では、Kickstarterの利用に関するノウハウ提供やサポートも行っておりますし、キックスターターでUSマーケットに進出したい日本企業様向けのプランもあるようです。
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