COLUMN海外メディア戦略コラム

「フェイクニュースに気をつけろ!」心得ておきたいフェイクの見分け方

フェイクニュースという言葉は皆さんも一度は聞いたことがあるかもしれません。中にはフェイクニュースを信じてしまい、被害を受けた方もいらっしゃるかもしれません。

総務省が公開しているHPによるとフェイクニュースとは、“定まった定義はないが、何らかの利益を得ることや意図的に騙すことを目的としたいわゆる「偽情報」や、単に誤った情報である「誤情報」や「デマ」などを広く指すもの”とあり、今や身近な存在となり、巷で流れてニュースも実は・・・という可能性もあるかもしれません。

今回は、今年5月に開催したGPRWセミナーのメインセッションである「広報担当者必見「フェイクニュースに気をつけろ!」心得ておきたいフェイクの見分け方」のイベントレポートをお伝えいたします。

公式サイトはこちら 総務省HP

イベント詳細
タイトル:広報担当者必見「フェイクニュースに気をつけろ!」心得ておきたいフェイクの見分け方

登壇者:
・鍛治本正人(香港大学ジャーナリズム・メディア研究センター 副教授)
・前田利継(株式会社 パシフィック ブリッジ メディア アンド コンサルティング 代表取締役)
・大門小百合(ジャーナリスト、元ジャパンタイムズ執行役員・論説委員)

 

企業に関するフェイクニュースについて

ジャーナリスト側の目線として、株式会社 パシフィック ブリッジ メディア アンド コンサルティング 代表取締役前田氏、ジャーナリスト大門氏によるファシリテートでセッションが開始されました。

最初の話題は、アジアのフェイクニュースのトレンドについて、香港大学ジャーナリズム・メディア研究センター 副教授鍛冶本教授が紹介。
フェイクニュースはその時の話題に付随した偽情報、でっち上げ話など、それぞれ国によって違いはあるものの、ここ最近はCovid19コロナ関連、ウクライナ関連の話題が多くみられるとのこと。特に企業に関しては、いやがらせ関連が多数を占めているようです。
アジアの場合は、言論の自由/報道の自由が制限されている国が多いため、平時の場合は政治的な話題よりも食品関係、健康問題、芸能関係の3つが大きなトピックとしてフェイクの対象になりやすいため注意が必要であると鍛冶本副教授は警鐘を鳴らします。

事例 2017年 NHKワールド タイの食品メーカーに対するフェイクニュースの事例
タイの場合は、チャットアプリが主流で瞬く間に拡散されました。
その際の対応策としてメーカーは直ちに記者会見を実施し、TVの前ですべてオープンにして火消しを図った例になります。

東南アジアに関しては、特に前述の様な食品関係のフェイクニュースが多くみられます。企業の担当が気を付けなければいけない点は、「攻撃の対象になる前にあらかじめ準備をしていくことが重要で、“こういう噂が立つかもしれない”という前提でデザインや宣伝、PRをしなければいけない

例えば、ポスターを例にとると加工されにくいデザインを作っていくなど事前の対策が重要」と鍜治本副教授は力説されていました。

 

攻撃の対象になりそうな企業は?

フェイクニュースのきっかけは些細なニュースから始まることが多く、例えば、子供がとあるメーカーのお菓子をのどに詰まらせたというニュースから、その際の企業の対応が芳しくなかった際に、その対応に反感を持った人がフェイクニュースを作り出すというような流れが生まれるといいます。これはヘイトスピーチが起きる際の流れに非常に似ているようです。

 

フェイクニュースを作る側の論理とは? 鍛冶本副教授曰く、大きく分けて3つ

  1. 政治的な理由
  2. お金(インターネット広告費)
  3. オーガニック(有機的なもの)

①②は組織的にやられていることが多く、コンテントファームと呼ばれるフェイクニュースを商売にしていることが多く、2016年に米国トランプ元大統領の選挙の際には、マケドニアの少年たちがフェイクニュースサイトを沢山作り話題になりました。
企業対象の場合は、ライバル企業が攻撃のためにお金を支払ってやるケースもあるようです。
③は一般のユーザーが義憤に満ちた思いをもとに行う場合があります。
これはうそを作っているとわかっているため、攻撃することが正しいという正義感からの行動のため、やられた立場側から見ると非常に質が悪いとのことでした。

 

日本の企業の対象のフェイクニュースの事例は?

政治的なものだと中国/韓国はインターネット上で、でたらめな情報が飛び交っていることが多く散見されるため、当然企業に関しても多い傾向です。
逆に東南アジアは比較的多くはないようです。

常に情報をチェックするなどアンテナを張っている必要があり。これが一番の対策になります。

 

自分の会社がフェイクニュースの対象となってしまったら・・・

ジャーナリストである大門氏から、マスメディア目線からは素早く対応することが重要で、鍛冶本副教授からは、ソーシャルメディアにたけた存在が重要というご意見がありました。

日本企業はSNSのそういった対応ができる人材が少ないため、育成が急務

マスメディアが届かない人たちに対する対応/対策が必要

→自社コミュニティの形成が重要(鍜治本副教授)

常に情報のアンテナを張り対策を立てつつ、対象となってしまった場合は、マスメディア、ソーシャルメディア双方で早めに対処することが重要だということ、それぞれメディア目線と研究者目線からおっしゃっておりました。

 

SNS全盛の時代、フェイクニュースの今後は

欧州では規制の方向に向かっているものの、ユーザーの規制はむずかしいためSNS等のプラットフォーム側に責任を負わせる法律の枠組みが話し合われております。ドイツに関しては既に法整備化され施工されています。

アジアの場合は、シンガポール、ベトナム、インドネシアなどはトップダウンで取り締まりの対象になるような極端な国もありますが、まだまだ進んでいないのが現状のようです。

規制の方向に向かうと言論の自由の兼ね合いがあるため難しいが、何も対策をしないと野放しで無法地帯になる可能性も指摘されます。

そんな中で前述のIFCNをはじめとするファクトチェックの団体は、データベースの共有化や情報交換等を密に連携して行っており、希望の光といえるでしょう。

 

フェイクニュースの対策として事前にできること

まず第一にモニタリング

タイではファクトチェック番組コーナーがあり非常に人気です。

インタナショナルファクトチェッキングネットワーク(IFCN) 世界的にファクトチェックのスタンダードを各団体に設けているのでチェックしてみてください。
International Fact-Checking Network

SNSツールを活用してチェック

ツイートデック|公式アカウント:twitter

上記のようなツールを活用し、虚偽の情報が出そうなところを常にチェックしておく必要があります。

最後に重要なのは、対象国の歴史や文化をよく理解することです。
例えば、その国独自の記念日など、歴史観や背景を十分に理解をし、情報発信の際にリスペクトをもって行動することが大切です。

 

フェイクニュースが作られないための技術的なテクニック

加工されそうという前提がある際は・・・

動画を撮影する際は、衣装は単色ではなく、柄物を選ぶとよい
(Photoshopで加工されないように)
動画の場合は、身振り手振りを大きく大げさに動くとよい

音声の場合はウォーターマークを入れる
※音楽は非常に重要で、キリバリの予防対策になる

 

終わりに

フェイクニュースは既に巷にあふれ、このデジタル社会/情報社会において、もはや身近な脅威となっています。まだ被害を受けていないからといって決して安心せずに、何か起きる前に事前の対策が重要だということなど、学びの多いセッションとなりました。ぜひこのコラムを参考にしていただき、事前の対策等にお役立てください。

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