COLUMN海外メディア戦略コラム

アジアで熱い注目を浴びている「ヘルステック」5選

近年、アジアのヘルステック業界がものすごい進化を遂げていることをご存知ですか?血圧測定腕時計から月経追跡アプリまで、数多くの新しいヘルステックがアジアで生み出され、市場をにぎわせています。

Galen Growth Asiaにおける最新のレポートによると、2018年のアジアのヘルステック産業の規模は、世界で2番目の巨大市場地域に成長しています。2018年のアジアにおけるヘルステックへの投資額は、2016年比2倍にまで跳ね上がりました。なぜ、アジアでこれほどまでに急激に、ヘルステック産業の人気が上昇したのでしょうか。

その理由の1つは、アジアの高い人口増加率に対する医療機関の現状です。家族が病気になっても、近くに病院がなく、仕方なく家で療養する人々が多くいます。また、病院にかかる医療費が捻出できなかったり、診療を受けるまでに途方もなく長い時間を要したりするために、病院に行くことを断念する人々もいます。そこで、各国政府が力を入れているのが、ヘルステック産業の推進です。病院に行かなくても家庭内から医師と連絡を取り合うことができるアプリの開発や、病気の予防を第一に考え健康増進を支えるデジタルツール等が人気を博しているわけです。ヘルステックに力を入れている国として有名なインドでは、政府がヘルステック産業を全面的に支えています。

そこで本稿では、アジアの医療を大きく変える可能性を秘めた、アジアで開発された人気ヘルステック5選を紹介したいと思います。

1. Ping An Good Doctor

「Ping An Good Doctor」は、中国で開発されたヘルスケア・メディカル関連プラットフォームで、ビデオチャット経由で医師と連絡をとることのできるオンラインコンサルテーションサービスを提供しています。すべての家族にかかりつけの医者を提供することを目指しており、2018年12月時点で2億6500万人のユーザーが登録しています。1000人を超える社内医療従事者と5000人を超える優秀な外部医師を抱え、365日24時間体制で市民からの相談を受け付けています。

「Ping An Good Doctor」でできることは、医師とのアポイントメントの設定とオンラインコンサルテーション、必要な代金の支払い、薬を受け取るための薬局の紹介、今後のための病院の紹介等です。また、病気に関する相談だけでなく、歯科や美容整形外科とも連絡を取りあうことが可能になるなど、関連分野が広がっています。

携帯電話とインターネット接続があれば、遠隔で簡単な診断を受けられるため、時間のない人や地方に住む人々にとって、非常に重宝しているプラットフォームです。

 

2. iCarbonX

公式サイトは: こちら

「iCarbonX」は、中国で開発が進められている、人工知能(AI)によるヘルスケアサービスです。莫大な数の人々から遺伝子情報と健康関連の情報を集め、そのビックデータをもとに、AIが一般的な情報ではなく、その人自身のヘルスケアに役立つ情報を提供します。

現在「iCarbonX」は、100万人の遺伝子データを収集し分析することによって遺伝子解析による医療を提供しようと取り組みを進めています。被験者は、血液や尿の提供や健康診断等を受けることになりますが、一度行えば、後はAIが遺伝子情報を踏まえたうえで最適のヘルスケアを提供してくれる仕組みです。

まだ発展途上ではありますが、多くの大企業から莫大な投資を受けており、今後の発展が期待されるヘルステックといえるでしょう。

 

3. Huami

「Huami」は、北京とカルフォルニアに本社を置くウェアラブル系デバイスを手掛ける企業で、健康増進に役立つスマートウォッチを開発しています。

スマートウォッチの機能は種類によって異なりますが、デジタルアプリと連携することで様々な機能が利用可能になります。GPS機能を利用した走行ルートの記録、心拍数の確認と記録、歩数やアクティビティの強度などを測定することもできます。また、時計をつけたまま眠ることで、深い睡眠、浅い睡眠、途中で起きたなどの睡眠状態を記録できます。運動の記録をつけたい方や、健康のために運動を開始したい人のサポートをしてくれるツールと言えます。

先行販売は中国語による表示のみでしたが、現在は英語表示のものも購入することができます。今後、さらなる機能の追加が期待されます。

 

4. Forus Health

公式サイトは: こちら

「Forus Health」はインドで開発された、眼科診療装置になります。インドだけでも盲目の人々が1500万人いるといわれており、多くの人々は、早期に正しい治療を受けることで回復が可能です。盲目の人々が多い理由としては、眼科治療施設へのアクセスが困難なこと、治療・手術費が高額なこと等が関係しているとの考えのもと、手軽に、格安で受けられる眼科診療装置が開発されました。

「Forus Health」を利用することで、白内障、糖尿病性網膜症、緑内障、角膜欠損症、屈折異常の早期発見が期待できます。また、この装置で撮影された写真を医師に送信することで、遠隔での診断が可能です。症状が重い患者や、失明の危険のある患者に対して、医師からの連絡も届きます。

現在、インド国内の様々な場所で、「Forus Health」による眼科診断が行われており、すでに多くの患者の失明危機を救ってきました。インド国外での活用も徐々に広がりつつあります。

 

5. Practo

公式サイトは: こちら

「Practo」は、インドで開発された医師検索・予約サービス・医療情報サービスを提供するモバイルプラットフォームです。インドでは、近隣の内科医を見つけることが非常に難しく、診療を受けるには膨大な時間が必要となりますが、その現状を大きく変えたのが「Practo」です。

「Practo」を使用することで、自宅に居ながら医師とコンタクトをとり、オンラインで簡単なコンサルテーションを行い、必要な薬をオンラインで注文することができます。また、医師を選択することができるため、信頼がおける医師と継続してやり取りをすることもできます。また、モバイルツールを介して健康状態を継続的に管理することも可能です。

現在は、インド国内だけでなく、フィリピン、インドネシア、シンガポール、ブラジルなどでも利用される人気プラットフォームに成長しました。また、「Practo」のこれまでの貢献と将来への期待が高く評価され、世界中の大企業から資金援助を受けており、今後の発展が大いに期待されています。

これまで、アジアで人気のヘルステックについてみてきましたが、いかがでしたか。日本ではあまりなじみのないサービスもありましたが、アジア圏では、これらのヘルステックの活用が急速に進められており、今後の動きにぜひ注目したいところです。

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